第3日 〜2009.7.23(木)〜

狼煙→曽福

15.狼煙8:01→9:05鵜飼駅前(北鉄奥能登バス)970円 石川200か・597 三菱
狼煙の北鉄奥能登バス 見附島  狼煙からの上り便は、午前中は2本だけ。7:18の次がこの8:01。その次は、もう13時過ぎまでない。旅館の方にお願いして、早めの朝食にしていただいて、7時50分過ぎには宿を出てバス停に向かった。
 定刻にやってきたバスを見たとき、昨日と同じバスがやってきたのかと思ったのだが、手帳を確認すると登録番号が1番違い。同型の別のバスがやってきたのだ。
 狼煙を出るとゆるい登り坂。海から離れて林の中を行くようだ。その途中に葭ヶ浦バス停があった。ランプの宿で有名なよしがうら温泉の最寄りバス停。夏だし、誰か乗ってくるかと思ったが、待ち人は折らず通過。その先で坂道を下ると、海沿いに出てきた。
 そこから先は、ほぼ海に沿って走っていく。本当に海沿いを走るところもあれば、海岸線から少し離れたところを走るところもある。ただ、今までのような丘の上に上るようなアップダウンはほとんどなくなった。
 のと鉄道の終点、蛸島駅が見えてきた。バス停は、弁天公園前となっていて、停留所名からかつて駅があったことが消えていた。珠洲では、右折して珠洲市総合病院に寄っていく。すぐに元に道に戻るのかと思ったら、さらに奥に進んで飯田高校下バス停があった。ここには、バス数台が停まれる折り返し場になっていた。
 かなり乗っていた乗客も、この先は2人だけ。そのうち1人は、吾妻橋で降りてしまった。鵜飼が近づき、車窓に見附島(軍艦島)が見えてくる頃には、車内の乗客は自分だけになっていた。
のと鉄道旧鵜飼駅
16.鵜飼駅前9:44→10:16九十九湾(北鉄奥能登バス)470円 石川200か・499 三菱(ワンステ)
鵜飼駅前の北鉄奥能登バス 恋路海岸  旧のと鉄道鵜飼駅の駅舎をそのまま使っている、鵜飼駅前バス停の待合室。この大きな建物に「珠洲実高の存続を!!」という横断幕があった。鵜飼駅前にあった珠洲実業高校は飯田高校と統合され、2010年3月で廃校になるのだという。ここだけではなく、能登半島の人口減少は止まらず、能登半島の高校は統廃合が計画通りに進むと、半数以下になってしまうようだ。
 やってきたバスは、正面から見ると真っ赤なワンステップバス。宇出津駅前を通って穴水まで行くロングランバスだ。途中の九十九湾まで乗っていこう。
 鵜飼駅前を出てしばらく行くと、恋路海岸を通る。国鉄〜JRでは夏季のみ営業の恋路駅があり、のと鉄道に移管されてからは通年営業になった。恋路の駅名入りの乗車券、のと鉄道になってからは入場券も作られ、かなり売れていたという。そんな恋路駅も、2005年3月末でのと鉄道が廃止されなくなってしまった。
 鳥居の建つ小島を眺めて恋路海岸を過ぎると、いったん右側のロータリーに入っていくところがあった。駅前のようだが、バス停は松波城址公園口。ここが、のと鉄道の松波駅だったところで、ここもバス停名から駅の痕跡が消えてしまった。
 その先は山が海まで迫っているところがあり、進む道も海岸沿いから丘に上がったり、また海岸沿いに下りたりと、アップダウンのある道になっていった。やがて、長い下り坂があり、右側にのと鉄道の廃線跡が見える。入り江の先が九十九湾バス停だった。
恋路海岸の風景
見学 のと鉄道:能登九十九駅跡
旧駅舎 旧ホーム  九十九湾の海中展望船は10:30の出港。ただし、乗客が2人以上でないと運休とある。乗り場に行ってみるが、他に乗客はいない。「11時まで待ってみて下さい。お客さんが来たら出しますから」とのこと。
 それなら、しばらく散策してきますと、再びバス停近くまで戻り、廃止になった九十九湾駅を見学してくる。
 六角形の特徴的な駅舎は健在だけれども、入口は施錠されていて立入禁止。最近は使われていないようだ。プラットホームは残っているものの、線路はすっかり剥がされている。それでも、駅周辺だけ線路敷きが除草されていた。
 あまり長居をしてもしょうがなく、5分ほどの滞在で乗船場へと戻っていった。
16.九十九湾10:55→11:30九十九湾(能登九十九湾遊覧船)1500円 ピュアリ 三井造船玉野事業所
九十九湾のパノラマ
水中観光船ピュアリ
海中観光船「ピュアリ」
シダ
暖地性植物のウラジロやコモチシダの群落が特徴的
水中観察の階下室
海中展望室からの眺めは水が濁っていて残念だった
海面にやってきた魚
船長さんが餌をまくと寄ってくるたくさんの魚
ユースホステル
20年ほど前に泊まったことがあるユースホステルが見えた
乗船券の半券  自家用車のお客さんが4名来て、合計5名で出港。予定よりちょっと遅くなったけれども10:55に乗船場を出航した。
 ちょっとお年の船長さん1人での運航。観光放送がテープで流れた。まずはオープンデッキから景色を眺める。
 途中で船長さんから「下に降りて下さい」と声がかかる。残念ながら水中は濁っていて、あまり眺められなかった。
18.九十九湾11:57→12:23宇出津駅前(北鉄奥能登バス)360円 石川200か・544 三菱
九十九湾の北鉄奥能登バス 九十九湾バス停  バス停は、かつての九十九湾小木駅のすぐ前。駅前なら、食料品の買える店があるだろうと思っていたのだが、そんな店はなかった。鉄道が廃止になり、商店も店じまいしてしまったのだろう。宇出津での乗継ぎ時間が短いので、パンでも食べておくつもりだったのだが。
 やってきたのは、大型のツーステップバス。座席の数は多いが乗客もそれなりにたくさん乗っていた。どちらかというと前の方が混んでいるので、中ドアより後ろの空席に座っていく。
 今度のバスは穴水直通ではなく、宇出津駅前止まり。5分の接続で穴水方面のバスがある。鉄道時代なら直通運転が当たり前だったのだが、ばすになって分割された便が多い。それでも接続は取っているようなので、少々遅れても乗り継ぎは大丈夫だろう。
 温泉もある真脇まで来ると、そこから先は海沿いの道を走って30分ほどで、能都町の中心、旧のと鉄道の宇出津駅前に到着した。
19.宇出津駅前12:28→13:44向洋小学校(北鉄奥能登バス)860円 石川200あ・183 三菱(ノンステ)
宇出津駅の北鉄奥能登バス 向洋小学校バス停  宇出津駅前から穴水駅までの区間は、周遊きっぷの「ゾーン券」で乗車できる区間になる。しかも、この区間は、谷間を走る国道を行くC線(国道経由)。海沿いをかつてののと鉄道に忠実に走るB線(海廻り)。その中間の山間部を走るA線(山廻り)の3種類の奥能登(穴水・宇出津)線があり、周遊きっぷはA〜C線のどれでも乗れるようだ。せっかくだから、いろいろな線を行きつ戻りつしながら乗ってみよう。
 先ほどのバスに接続していた穴水行きは、かつての鉄道に忠実に海沿いを走るB線を通る。一番景色がよく、道が狭い路線だという。やってきたのは、小型のノンステップバス。地元のお年寄りや高校生を中心に、たちまち満席になってしまった。写真を撮ってから乗り込むと空席はなく、前輪タイヤハウスの上の空間にバッグを置いて、立っていくことにした。
 この便は、海沿いの能登北辰高校南バス停を経由していく。鵜川駅前までは、国道を走っていく。左手に海、右手に廃線跡という状況が続いていく。駅がそのまま残っていたり、ホームの一部が崩されて新しい道路が出来ていたりと、廃線跡もいろいろな姿を見せていた。
 鵜川駅前は、方面別にポールがあるようで、この便は国道を左折したところにあった。バス停名は駅前だけれども、駅らしいところは見あたらなかった。その先で、いきなり道が狭くなった。左手に海、小さな集落や港。そんな風景が繰り返されていった。やがて、海の向こうに陸地が見える。どうやらあれが明日行く予定の、能登島のようだ。
 比良農協バス停から国道に戻る。ボラ待ち櫓のレプリカが建っている、中居ポケットパークに近いらしい向洋小学校前で降りる。ポケットパークは真下だった。
狭隘路を行く
見学&徒歩 向洋小学校前バス停→ボラ待ち櫓(中居ポケットパーク)→中居南口バス停(約600m)
ボラ待ち櫓  一段高いところにある向洋小学校前を経由するバスは少なく、ボラ待ち櫓を見学しながら隣の中居南口バス停まで歩いて行く。
 ボラ待ち櫓はレプリカだけれども、ちゃんと人形も載っており、現役時代の姿をよく現しているようだった。
ボラ待ち櫓の説明
20.中居南口14:11→14:55宇出津駅前(北鉄奥能登バス)860円 石川200か・343 日野(ノンステ)
中居南口の北鉄奥能登バス 中居南口バス停  今度はC線(国道経由)の宇出津駅前ゆきに乗っていく。やってきたのは、やはり真っ赤な顔のノンステップバスだった。
 ドアが開いて乗り込むと、このバスもよく乗っている。やはり鉄道代替バスということと、まだ高校が夏休みになっていないからだろう。
 比良農協バス停を過ぎて、そのまままっすぐ国道を走っていく。周囲の風景は、だんだんと山の中になっていく。国道は峠に向かって登り坂。そんな上り坂の途中に、お祭りをやっている集落があった。そこで、高校生が降りていった。その先の曽山峠を越えると、下り坂に変わった。
 そんな下り坂の途中に、能登瑞穂バス停があった。LEDの行き先表示にも「能登瑞穂 経由」となっている。どんなところかと注目してみるが、山の中の集落で、それほど大きいところではなかった。
 宇出津でも国道を直進して、なんと45分弱で宇出津駅前に戻ってきた。海岸廻りは1時間15分かかったのだから、いかに国道経由の早いことか。
21.宇出津駅前15:45→17:12穴水駅前(北鉄奥能登バス)1200円 石川200か・284 日野
宇出津駅前の北陸奥能登バス のと鉄道の廃止駅  次に乗るバスまで時間があるので、当地のチェーン店「8番らーめん」という店で遅い昼食。ようやくお腹が落ち着く。
 次に乗るのは、穴水駅前ゆきでも太田原線という路線。C線(国道経由)の能登瑞穂から、さらに山の上の能登空港近くを経由する路線だ。1日3本ほどのローカル路線で、宇出津〜穴水を走るにもかかわらず、線名が異なることから通し運賃も異なっている。
 そこで、周遊きっぷでそのまま乗ることは出来ないだろうと、窓口の方にお伺いを立てる。最初は「乗らないで欲しい」ということだったのだが、能登瑞穂から別払いで乗れないかと言うと、営業所に問い合わせてくれた。結果は「奥能登線と太田原線との差額170円払ってくれればいいとのこと」だそうだ。鉄道なら、経路の違う能登瑞穂〜下出間の別途片道になるのだけれども。問い合わせまでしていただいたので、お説に従う。
 やってきたバスはリエッセ。乗り込むと運転士さんから「周遊きっぷで乗車のお客さんですね」と声をかけられる。乗客は自分だけ。途中から女子高生が2人乗ってきたものの、鵜川駅前で降りてしまった。そして、そこからご婦人が1人乗車。能登瑞穂を過ぎて、狭隘路の太田原線に入っても乗っていたのは、この方の自分の2人だけだった。
 能登空港の開業に伴って、だいぶ道路が改修されたとのことで、確かに広くなった部分が多い。それでも、旧道に入るところがあちこちにあり、そんな集落内の旧道にバス停のポールが立っている。伊久留から藤住までは枝線の往復。終点の藤住は、数件の民家が建つ道路の途中。ちょっと広くなったところで、小型バスを一気に回転させて折り返していった。
狭隘路を行く
22.穴水駅前17:40→18:09曽福(北鉄奥能登バス)290円 石川200か・532 三菱
穴水駅前の北鉄奥能登バス 岬への狭隘路を行く  予約しておいた駅前旅館に荷物を預けて、身軽になって今日最後のバスに乗る。七尾市との境界に近い、曽福というところへ行く鹿島線のバスだ。この先は市町境で路線が途切れており、明日は曽福バス停から徒歩で再開することになる。
 やってきたバスは、窓ガラスに濃色のフィルムが貼り付けられていた。唯一フィルムのない、横幕のある引き違い窓の席に座っていく。乗客は自分だけだった。
 曽福方面だけ、途中から左折して新崎という小さな半島の先端の集落に寄っていく。ところが、先端に近づくまで半島の尾根部分を行くので、本当にこの先に海沿いの集落があるのか信じられなかった。坂道を下ると、集落の中を走る狭い道になり、その先端の港の前の広場が枝線の終点新崎だった。
 再び来た道を折り返して国道まで戻る。車窓には七尾湾が見えている。ちょうど陸地が切れて海が続いているところがある。左側が能登半島で、右側が能登島のようだ。そんな風景をみながら走っていくと、再びレプリカのボラ待ち櫓が見えてきた。
能登半島と能登島

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