第6日 〜2008.3.22(土)〜

興津駅→上総湊駅

24.興津駅8:25→9:04鴨川シーワールド(鴨川日東バス)610円 袖ヶ浦22か・383 いすゞ/IK COACH
興津駅の鴨川日東バス 興津駅バス停  興津駅から南は、鴨川日東バスのエリアに入る。かつては、土休日だけ小湊鐵道バスが行川アイランドまで運行されていて、南房総フリーきっぷで利用できたりしたのだが、2001年8月末に閉園してからは、その運行もなくなってしまった。
 閉園しても、鴨川方面からのバスはその行川アイランド折り返しが多く、興津駅までやってくるのは平日・土曜が7本、日祝が6本しかない。土曜日の2本目になる、8:25のバスに乗ってバス旅を再開する。
 バスは8:10頃にはやってきて乗客を降ろすと、そのまま折り返しになるようでドアを開けてくれた。ちょっと古めのバスだが、行き先表示器はLEDに改造されていた。
 興津駅を発車すると、駅前の道を行かず線路沿いの一方通行を走る。いったん勝浦方向に行ってから、国道128号線へと入った。
 興津から行川アイランドまで、国道128号線の旧道を行く。興津と浜行川の間にあるトンネルは狭く、大型車のすれ違いができない。バイパスがない頃は、夏場はいつもここで渋滞が起こっていた。その2つめのトンネルを抜けて、曲がりくねった坂道を下る途中、左下に浜行川の漁港が目に入ってくる。このバスに乗って、最初に見える海だ。
 行川アイランドを過ぎて1つめのトンネルを抜けた橋の上に、大沢バス停がある。ここが勝浦市最後のバス停。次のトンネルを抜けたところに勝浦市と鴨川市の市境があり、ここで上総の国から安房の国に入る。
 鴨川市に入って最初の街が小湊。かつては天津小湊町だったが、今は鴨川市の一部になってしまった。小湊の海が左手に見えたところで、バスは右側の細道に入っていく。残念ながら、バスは駅へ寄るために海岸沿いから離れた道を走っていくのだ。
 天津地区から、再び旧道を行く。歩道もない狭い道。両側には住宅や商店が並んでいる。そんな街中の停留所から乗ってくる人がけっこうある。天津駅から先は、平日・土曜は20分毎の運行区間。その途中にある、亀田病院前で降りる人が多かった。こちらは、その2つ先、鴨川シーワールドで降りた。
興津駅の鴨川日東バス
25.鴨川シーワールド9:21→10:26館山駅(館山日東バス)700円 袖ヶ浦22か・525 日デ/富士重工
鴨川シーワールドの館山日東バス 鴨川松島の風景  亀田病院と館山駅を結ぶバスに乗っていく。かつては和田町のお花畑バス停で運行が分割され、鴨川方面が鴨川日東バス。館山方面が館山日東バスが運行していた。2007年10月1日から、全8便が鴨川〜館山間の通し運行となり、それと同時に運賃が上限700円になった。
 やってきたのは、館山日東バスだった。通し運行になってから、鴨川日東バスと館山日東バスが、それぞれ4便ずつ担当するようになったとか。シーワールドのホテルにでも泊まったのだろうか、ここからは6人ほどが乗車した。
 鴨川市街地は、駅前の旧道を走っていく。市街地を抜けても旧道を行くので、左手に鴨川松島といわれる名勝が見えてくる。国道128号線バイパスの嶺岡山トンネルを抜けてしまっては、この景色を眺めることはできない。
 太海フラワーセンターを過ぎると、旧道はバイパスと合流する。鴨川市から南房総市に入る。かつては和田町だったのだが、館山市以外の安房郡富浦町、富山町、三芳村、白浜町、千倉町、丸山町、和田町が合併して誕生した市だ。かつてはたくさん自治体があった安房郡市も、今では鴨川市、館山市、南房総市、鋸南町の3市1町になってしまった。
 お花畑を過ぎると、もう運賃表は上がらず、しだいに700という数字がずらりと並び始める。お花畑で乗り継ぎだった頃は、この倍くらいの運賃がかかったのだが。
 古川というところは、国道を離れて右側の細道に入っていく。1日1往復ある急行便だけは、この細道に入らず国道をそのまま行くのだそうだ。
和田の海岸風景
26.館山駅11:00→11:40平群車庫(館山日東バス)680円 袖ヶ浦200あ・163 日野
館山駅の平群ゆきバス 館山駅に並ぶ高速バス  本土縦断のバス旅をやった2002年は、館山と東京湾フェリーを結ぶ路線があったのだが、2003年9月30日限りで一部区間が廃止になってしまい、今は館山から海沿いの国道127号線を行くと南房総市の南無谷・小浜までしか行くことができない。
 内陸部を走る旧三芳村の代替バスと旧富山町のコミュニティバスを利用することで、南房総市の北端に近い岩井まで行くことができる。南房総市と鋸南町の市町境さえ徒歩でつなげば、なんとか東京湾フェリーまで行くことはできる。東京湾沿いの国道127号線をバスが走っていない以上、こうやって乗り継いでいくしかないようだ。
 館山駅に到着するバスは、駅前で乗客を降ろすが、乗り場は行き先によって分かれている。旧三芳村の平群車庫行きは、通りの向こうにある館山日東バスの車庫に併設された、待合室のある乗り場からでるとのこと。行ってみると、こちらの車庫には各社の高速バスが休んでいた。真っ青な京成バスは千葉からだろうか。京浜急行バスは羽田空港からだろう。
 時間になりやってきたのは、トップドアのリエッセ。片側にスイセン、もう片側にナノハナがペイントされている。駅前を発車するとしばらくは国道127号線を北上する。途中で左折して内房線の踏切を渡り、ロックシティ館山というショッピングセンターを一周してくる。再び国道に戻り、那古まで北上を続ける。
 那古で右折して、県道を進んで行く。まだ平野で周囲は水田が多い。館山市から南房総市に入って、すぐに三芳郵便局があった。その先の信号で左折してしばらく行くと、道の駅「三芳村」。ここで外国人の旅行者が降りていく。道の駅巡りをしている外国の方なのだろうか。
 あとは平群に向けて、その県道をひたすら北へ向かう。だんだん、両側の山が迫ってきて水田が狭くなってくる。学校や商店のある集落をちょっと過ぎた空き地が終点だった。
平群車庫の館山日東バス
27.平群車庫12:53→13:10岩井駅(南房総市・富山線)200円 袖ヶ浦200は・244 日野/J-BUS
平群車庫のトミー 八犬伝の描かれたトミー  旧富山町内を走るコミュニティバス「トミー」に乗っていく。やってきたバスの行き先表示が、何と「トミー」と出ている。真っ黄色の目立つバスだ。
 前中ドアのリエッセなのだが、運転席側はすべてロングシートになっている。乗り降りがしやすいように、こんな座席配置にしたのだろう。ただ、車いすスペースはないようだった。
 途中の乗降は、ごくわずかだった。駅前まで乗ったのは自分だけ。降りてから停まっているバスを見てみると、後部には南総里見八犬伝にちなむイラストが描かれていた。
トミーの車内
徒歩 岩井駅バス停→岩井海岸→岩井袋バス停 約3600m
地引き網の小舟 臨時交番  南房総市と鋸南町の間は、バス路線が途切れている。一般の路線バスは、館山日東バスが撤退してしまい、南房総市のトミーと鋸南町の循環バスを乗り継ぐしかない。
 旧富山町の岩井海岸は、臨海学校とか地引き網で有名なところ。途中から道路ではなく、砂浜を歩いて行く。海岸にかなり近いところに、一艘の小舟がいる。せっかくだから、写真を1枚撮っておく。
 やがて、その小舟が海岸に近づくと、一人の男の人が海の中に入っていった。いったい何事かと思ったら、これが地引き網だったのだ。小舟が網のセットで、男の人が引く部分を取りに行ったのだ。海岸にはいつの間にやら、幼稚園児の団体が集まっていた。
 左の地図の青旗のところにあったのが『岩井海岸警察官臨時交番』と書かれた建物。臨時といっても、立派な鉄筋コンクリートの建物だった。そして、赤旗のところから撮ったのが、下のパノラマ写真。ここまで来ると、釣りをする人しかおらず、道路もところどころダートになっていた。
 海沿いの道を行ったら、漁港のところで行き止まり。かつては橋が架かっていたようだ。戻って、住宅の裏の道を進み、漁港の駐車場に立つ岩井袋バス停にたどり着いた。
徒歩経路の地図
岩井海岸の風景
28.岩井袋15:51→16:08保田橋(鋸南町営循環バス・青バス)300円 袖ヶ浦230い20−02 三菱
青バス バス停と港  鋸南町の町営循環バスは、経路は同じだが時計回りに走るのが青バス、反時計回りに走るのが赤バスと名付けられ、バスのボディも濃い青と赤に塗られている。
 ちょうどこの時間は、両方のバスがやってくる。赤バスが15:44で青バスが15:51になっている。ほぼ定刻に赤バスがやってくる。乗らないと合図すると、そのまま走り去った。青バスは数人の乗客を乗せてやってきた。手を挙げてこちらに乗り込む。
 運賃は5区間まで200円、それを越えると300円となっている。ハイキングに行ってきたのだろうか、観光客をはじめ大半の乗客が勝山駅で降りてしまい、車内は閑散となった。
 バスは快調に走っていたのだが、保田漁港の辺りから渋滞が始まった。新鮮な魚が安く食べられると、雑誌やテレビで紹介される漁港の食事処「ばんや」は、この時間でも満車。道はますます動かなくなった。保田駅まで行く予定だったのだが、これでは間に合わない。保田橋バス停で降りることにした。
数分前に来た赤バス
徒歩 保田橋バス停→保田中央バス停 約320m
保田付近のバス路線図  次に乗るのは、鴨川と東京湾フェリーを結ぶ、鴨川日東バスの急行バス。館山日東バスが廃止した区間の一部復活なのだが、急行運転のため以前の停留所がすべて復活したわけではないようだ。
 事前に確かめてみると、駅周辺で停まるのは、保田中央と保田海水浴場入口の2ヵ所とのこと。青バスも保田中央に停まるのだが、いったん保田駅に寄って時間調整をしてからなので、うまく乗り継げない。最初は保田駅で降りて、海水浴場入口まで行く予定だったのだが、渋滞してはいつになったら駅に着くかわからない。
 最後の手段と、保田橋で降りて保田中央バス停まで走った。だって、保田中央の発車予定時刻は16:10だから、2分しか乗り継ぎ時間がなかったのだ。
29.保田中央16:11→16:22東京湾フェリー(鴨川日東バス)270円 袖ヶ浦22か・438 三菱/富士重工
保田中央の鴨川日東バス 東京湾フェリー「かなや丸」  鴨川からの東京湾フェリー行きは、これが最終便。乗り遅れたら、今日はここで中断だったのだが、1分遅れでやってきたバスに無事乗り継ぐことができた。乗客は思っていたより多く、10人以上は乗っているようだ。
 鋸南町と富津市の境は、鋸山の山並みが海まで達している。その断崖を海岸沿いのトンネルの連続で通り抜けていく。そのトンネルのほとんどには、歩道がなく歩くのはとても危険だ。それでも、歩いている人がいたのには、びっくりしてしまったが。
 東京湾フェリーでは、自分以外はみなきっぷを運賃箱に入れて降りていった。
東京湾フェリーの鴨川日東バス
30.東京湾フェリー17:40→17:56上総湊駅(天羽日東バス)450円 袖ヶ浦22か・381 いすゞ/富士重工
東京湾フェリーの天羽日東バス 東京湾フェリーのバス停  鴨川日東バス、館山日東バス。そしてまた、鴨川日東バスと乗って、ここからは日東バスグループ3社目の天羽日東バスになる。
 その竹岡線、東京湾フェリーから出るのは1日に3本しかない。次の乗るのが、今日の最終便だ。乗り継ぎ時間が1時間20分ほどあるが、これも本数の少ないバスの乗り継ぎだから致し方ない。
 山頂へ向かう鋸山ロープウェイや、港に出入りするフェリーを見ていれば、見飽きることはない。それよりもおもしろかったのが、ゴルフ場の送迎バス。観光バスタイプなのだが、左側後部にも非常扉がついているのだ。何とこれが、後部に積んだゴルフバック積み降ろし用の荷物ドアに使われているのだった。
 やってきたのは、富士重工のちょっと古めのバス。行き先表示もLEDではなく幕で、ちょっと前の時代のバスを見るようでうれしい。いつの間にやら、方向幕のバスでさえ、会社によっては全廃されたところもあるのだから。
 時間になって、乗車したのは自分を含めて2人。1日3本のバス、しかも土曜日に、自分以外に利用者がいるのは意外だしうれしかった。
 竹岡の先までは、海沿いの国道127号線を行く。左側に東京湾が見える区間が多く、乗っていて楽しい区間だ。そんな道の途中で押しボタンが押されて、もう1人の乗客が降りていった。
 その先は、もう乗ってくる人はいなかった。内房線を跨ぐと少し山側に入り、湊橋で湊川を渡る。海側には、撮影名所になっている内房線の湊川橋梁が見える。少し上り坂になった道の途中で左折すると、もうそこが上総湊駅だった。薄暗くなった駅前に桜が咲いていた。
東京湾フェリーの天羽日東バス

ホーム▲ 旅目次△ <第5日 第7日>