第1日 〜2005.11.12(土)〜

取手駅→岩間駅

1 取手駅9:15→9:33団地中央(大利根交通) 400円 土浦22あ19−54 いすゞ
大利根交通バス
 
 取手駅東口から大利根交通のバスに乗っていく。ごく少数の便が、取手駅から布佐駅へ行くものの(その逆はない)、大多数は取手駅と布佐駅から、それぞれ最寄りの団地に行く路線。だから、路線バスの乗り継ぎ旅には使いづらいバス会社なのだ。
 それでも使えないかと地図を見ていくと、途中に通る羽根野団地というのは、団地の中に利根町と竜ヶ崎市の境界があるではないか。大利根交通は利根町の部分を走るものの、竜ヶ崎市の区域には、市のコミュニティバスが来ている。これなら、徒歩連絡が可能だ。
 そんなことをみつけて、初めて乗る大利根交通で今回の旅をスタートすることになった。バスはいすゞのキュービック。前乗りで、乗車時に降車停留所を申告して運賃を入れる。フリー乗車券を見せて「団地中央までお願いします」と声をかける。
 乗客は5人ほど。こんな時間に団地へ行く人は他にはおらず、大利根交通の本社もある戸田井で女子高生が2人降りていくと、あとは貸切状態だった。
徒歩  団地中央→南が丘1丁目(約400m:6分)
 団地中央で降りて、少し戻り右へ曲がる。そのまま歩いていくと右手に公園がある。この先が利根町と竜ヶ崎市の境界。右手は道が境界だが、左手は道ではなく家と家の間に境界がある。お隣さんは、隣町の住人という状態なのだ。
2 南が丘1丁目10:04→10:17竜ヶ崎駅(竜ヶ崎市コミュニティバスCコース) 100円 土浦200か・381 三菱
竜ヶ崎市コミュニティバスCコース

平成観光自動車が委託されているCコース

龍バス

竜ヶ崎駅に停まる、コミュニティバス循環コース

南が丘バス停

 常陽銀行の手前に黄色いポールが立っていた。これが、竜ヶ崎市のコミュニティバスの乗り場だった。
 市のウェブサイトを見ると、コミュニティバスはクセニッツの小型バスで運転されているように見えるのだが、実際にやってきたのは、小型の観光タイプのバスだった。
 しかしながら、ちゃんと運賃箱も降車ボタンもついており、車内放送もあった。ただ、やはり観光バスだったらしく、座席はしっかりリクライニングシートだ。
 流路変更前の小貝川なのか、細長い池のようなところに沿って走っていく。福祉センターに寄り道してから、竜ヶ崎駅へと向かった。
 竜ヶ崎駅に着くと、ウェブサイトにも載っていたクセニッツがいるではないか。よくよく見てみると、この車両を使うのは、関東鉄道が委託されている循環コースだけとのこと。平成観光自動車が委託されているA〜Cコースは、普通のバス(といっても観光タイプだが)が使われているのだそうだ。
(なお、このバスはフリー乗車券が使えないので別払いとなった)

3 竜ヶ崎駅10:40→11:30江戸崎(関東鉄道) 890円 土浦22あ12−73 いすゞ/富士重工
竜ヶ崎駅の関東鉄道バス
 竜ヶ崎駅からは江戸崎行きの関東鉄道バスに乗る。竜ヶ崎駅から乗ったのは、自分だけだった。竜ヶ崎の街は東西に長いようで、こまめにバス停がある。下町下(しもまちしも)などという、ちょっとおもしろいバス停もあった。
 竜ヶ崎市内に限り、8〜17時の関東鉄道バスは上限200円で利用できるのだそうで、運賃表示器はどの番号も200円がズラッと並んでいる。それにもかかわらず、乗客はほとんどいない。
 稲敷市に入り、最初の停留所の上根本入口を過ぎるといきなり運賃表示が上がる。それにもかかわらず、乗ってくるのは圧倒的に稲敷市に入ってからの方が多かった。
 浦向で左折し、急な坂道を登って台地の上に出る。この当たりでも、ぼちぼち乗降があった。関東鉄道の営業所は街外れのようで、高速バスが何台かと待っているのが見えるものの降りる人はいない。橋を渡って市街地に入る。交差点を左折して、とくに広場もない商店街の道路沿いが、終点の江戸崎バス停だった。
4 江戸崎11:50→12:46佐原駅(桜東バス) 320円 土浦22あ19−17 日野
江戸崎の桜東バス
桜東バスの運賃表
 関東鉄道の江戸崎バス停と、JRバスや桜東バスが発着する江戸崎駅は300mほど離れている。両側の歩道とも、きちんとアーケードがついた懐かしい商店街を歩いていく。お肉屋さんの揚げたてコロッケの匂いに、つい心が動かされてしまう。
 ここから千葉県の佐原駅まで、JRバスの廃止路線を引き継いだ桜東バスに乗っていく。桜東(さくらあずま)バスというのは愛称で、運行しているのは晃進物流(株)というトラック運送事業をやっていた会社。
 そういう会社だからか、運賃も運行もちょっとかわっていた。運賃表示器はなく、運転席後に三角表が掲示してある。それによると、江戸崎〜西代はおとな・こども同額とのこと。関鉄観光バスと競合する、西代〜佐原駅はこどもはおとなの半額となっている。しかも、最低運賃は50円。今どき、おとな50円で乗れるバスがあるというのもちょっとおどろき。
 押しボタンはあるものの、車内放送はない。途中で降りるのは地元の方だからか、ちゃんとボタンを押して降りていく。この路線、JTB時刻表にも掲載されている。それによると、幸田というところで乗り換えのように見えるのだが、実際は佐原駅まで直通。ただし、車庫のある幸田で運転士さんが交代するのだという。今日は、ここで、男の運転士さんから女の運転士さんに代わっていた。
新利根川に沿って走るバス
新利根川を右手に見て走る
(なお、このバスはフリー乗車券が使えないので別払いとなった)
5 佐原駅13:27→13:59牛堀支所前(関鉄観光バス) 540円 水戸200か・381 日野
佐原駅前の関鉄観光バス

 佐原の街中に有名なうなぎ屋さんがある。バス停もすぐ近くなので、折り返し時間にと思ったのだが、すでに店の外にまで行列が・・・。ということで、先ほどのバスを終点の佐原駅まで乗ってしまった。
 駅構内にあるそば屋さんで、簡単な食事をとる。ごはんものに「大盛」があるのだが、上にかかる具は大盛にならないらしい。ちょっと残念。
 香取神宮始発の鹿島バスターミナル行きに乗る。佐原駅から途中の中島というバス停までは千葉県を走ることになる。そこまで別払いになるのか、それとも千葉県内から乗った場合は全乗車区間別払いになるのか。
 水郷大橋を渡って、茨城県に戻る。最初の停留所がショッピングセンター(茨城県にあるのに、アピタ佐原店という)近くの中島バス停だ。西代までは先ほどのバスと同じ道を戻る。右手に堀のような狭い横利根川が見えるが、これが県境。川の向こう側は、利根川の北にある千葉県の与田浦地区なのだ。
 やがてバスは、霞ヶ浦から流れる常陸利根川にかかる北利根橋を渡る。左手には、霞ヶ浦が広がっている。渡ったところが旧牛堀町、現在の潮来市牛堀地区だ。元町役場の牛堀支所前で降りる。運転士さんにフリー乗車券を見せると、追加運賃ナシでいいとのことだった。
2006年7月21日限りで路線廃止。西代〜牛堀は代替路線なし。

6 牛堀支所前14:03→14:21潮来車庫(関東鉄道) 310円 水戸200か・627 いすゞ/富士重工
牛堀支所前の関東鉄道バス
 先ほどのバスは、県道を通って鹿島へ向かう。そこで、国道沿いにある潮来車庫へ行くバスに乗り換える。すぐにやってきたのは、関東鉄道のバスだった。あれ、こんなところに関東鉄道の路線があったかなと調べてみると、なんとこの停留所には、関東鉄道、関鉄観光バス、関鉄グリーンバスの3社のバスがやってくるのだった。どれも、それほど本数は多くないけれども。
 塗色は同じだし、地元の方は慣れているのだろう。以前、佐原駅前で回数券のことをたずねたら、関鉄グループで共通利用はできないと言われた。ただ、路線が重複している区間は可能とのこと。たまたま乗ったバスで回数券を買ってしまうと、他の地区で使えなくなったりして大変だろう。
 放送が「潮来」と伝えている。ところが、高速バスも停まる潮来バス停が、何の変哲もない道路沿いになっていた。以前(といっても2002年だが)来たときには、道路が三角形に広くなったところに、小さなターミナルができていたのだが。
 その先に、以前の潮来ターミナルだったところがあった。広場の脇にあった商店はすべて店じまいしており、ターミナルの機能はずいぶん前になくなったようだ。
7 潮来車庫14:52→16:10鉾田駅(関鉄グリーンバス) 1200円 水戸200か・450 いすゞ/富士重工
潮来車庫のグリーンバス
ロングシートの車内
潮来車庫バス停

 潮来車庫から鉾田駅行きの関鉄グリーンバスに乗る。しばらく前までは、鹿島から鉾田へけっこうな数のバスが2つの路線で運転されていたのだが、すべて廃止されてしまい、今は潮来と鉾田を結ぶ、この路線しか残っていないのだ。先ほどの、牛堀支所前から乗ることもできるのだが、せっかくだから全区間乗ってみようと、ここまでやってきたのだ。
 車庫のバス停ポールは、関鉄観光バス。行き先は玉造駅、麻生高校、繁昌鉾田、佐原駅。玉造駅と麻生高校が関東鉄道。繁昌鉾田が関鉄グリーンバス。そして、佐原駅がポールにもある関鉄観光バスの担当だ。
 やがて、車庫の奧からバスがやってきて、車庫内にある待合室の前に停まる。ドアが開いて乗り込むと、何と超ロングシートのバスだった。前向きシートは、ドア間の優先席付近だけ。運転席側は超ロングなのだ。
 たしかに、昔はこんなバスばかりだったのだが、今でもこんなバスが現役だったとは、ちょっとうれしくなってしまう。電車と違って、バスは外側は同じに見えても、いろいろな形態があるので、乗るのが楽しくなるのだ。
 残念ながら、乗客はそれほど多くはなかった。潮来駅と鉾田駅という離れた鉄道を結ぶ路線なのだが、レールファンの乗車もなかった。
 牛堀から麻生までは、左手に霞ヶ浦の湖面を見ながら走る。麻生から繁昌までは台地の上を行く。繁昌からは、右折して北浦沿いの狭い道を走っていく。ところどころセンターラインのない狭隘路もある。何度となく北浦の湖面が右手に見える。やがて、北浦の向こうに鹿島臨海鉄道の高架橋が見えてくると、終点の鉾田駅まではあと少しだ。

8 鉾田駅16:50→17:34茨城町役場前(関鉄グリーンバス) 860円 水戸22あ14−76 三菱
夕闇迫る鉾田駅のバス
 バスの時間まで、鹿島鉄道の鉾田駅で過ごす。そばを食べたり、名物の鯛焼きを買ったりして時間をつかう。そろそろ時間と、駅前のバスターミナルに戻る。
 11月なので、もうまもなく日没だ。ここから先は、ほとんど景色も楽しめないだろう。それがちょっと残念だ。鉾田駅から乗ったのは3人。そのうち自分を含めて2人がフリー乗車券のようだ。
 バスは水戸駅行きだが、途中の茨城町役場前で降りる予定だ。ただし、10分遅れたら、最終バスに乗り継げないので、このまま水戸駅まで乗るしかない。運転士さんに確認すると、定刻なら十分間に合う時間だ。
 堀之内というところまできて、ようやく鉾田町から茨城町に入ったことがわかった。ということはもう少しなんだろうか。海老沢というところで左折して、進路を西に変える。たしか、この先が役場だったはずだ。昼間の時間帯なら、バスが茨城町役場を経由するのだが、この時間は役場へ入らず「茨城町役場前」で降りるしかない。
 時間が気になりだしたところで、茨城町役場前に到着。すると、対向車線にこれから乗り継ぐ茨城オートのバスがやってきて、役場の方へ曲がっていった。どうやら間に合ったようだ。茨城町役場バス停へ急ごう。
9 茨城町役場17:41→18:08岩間駅(茨城オート) 510円 水戸200か・429 日野(ワンステ)
茨城役場前の茨城オートのバス
 バスの曲がった方へ歩いていくものの、バスの姿がまったく見えない。いったいバス停はどこなのか。どんどん歩いていくと、ようやく広場があってそこにバスが停まっていた。運転士さんに「写真を撮らせてもらえますか」というと「どうぞ」とのこと。ノンストロボで撮っていると「ストロボたかないと写らないだろ」という。お言葉に甘えて、ストロボを使わせてもらう。
 茨城町役場から岩間駅へ行く最終便。この路線は、日祝全便運休だから、フリー乗車券で乗れるのは土曜日の今日だけだ。土曜日のこんな時間に役場から乗る人は他にいるはずもなく、当然乗客は自分だけだった。
 発車すると「次は茨城町役場前」と流れる。何だ、このバスも役場前バス停に停まるんだ。これなら、あせらなくても大丈夫だったのだ(ゆっくり写真は撮れなかっただろうけど)。この路線、バス停名がなかなかおもしろかった。「下土師煙草屋(しもはじたばこや)」「下飯沼油屋」「藤崎ラジオ店」「下安居酒屋(しもあごさかや)」などなど。それぞれの集落の代表的なお店だったんだろうな。どこどこの煙草屋っていえば、あそこの家の前にあるんだ、とかみんながわかった時代にできたバス停なのだろう。今でもそれらのお店は健在なようで、下安居の酒屋は今風のリカーショップになっているのが、車窓から見えた。

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