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第16日 〜2002.8.16(金)〜

亀岡駅前→JR奈良駅

111.亀岡駅前7:00→7:54京都駅(京都交通)630円 京都22か45−85 日野
亀岡駅前の京都交通 車内の風景  今日は亀岡始発の京都駅行き国道線普通便でスタート。ところが駅前にある案内に、「国道線・急行便の乗り場」は駅前ではないと書かれている。これは、国道線が全部そうなのか、園部始発の急行便だけがそうなのか、よくわからない。確認したいが、まだこの時間は案内所は閉まっている。
 やがて、発車時間が近づき、京都駅の行き先を出したバスが、駅前ロータリーと反対側にウィンカーを出して交差点に停まった。これはいけないと、急いで交差点を渡って、駅前でない乗り場に向かった。急いで乗り込むと、車内は白いカバーのかかったハイバックシートが並んでいた。
 国道線の名前の通り、亀岡を出たバスは国道9号線を走っていく。国道と鉄道が離れているからか、途中停留所からの乗車が多い。老の坂峠を越えて亀岡市から京都市に入っていく。
 中山というところを過ぎると、右の道に入っていく。旧道を行くのかなと思っていたら、すぐに左の細道に入る。バスがすれ違えるのかなあという道だ。そんな道を走っていくと、阪急の踏切が。踏切を越えて左折したところが、桂駅前だった。ここで大半の乗客が降りた。
 この先の道がすごかった。桂大橋を渡って左折した道は、これ一方通行でしょ。車両進入禁止の標識があったもの。バスはそれを逆送する。たしかに「路線バス・自転車を除く」とあったけど。どうみても、バスがすれ違える道ではない。はっきり言って、よそ者にはこわい道だった。
 朝の通勤時の上り便だから、相当遅れるだろうと考えていたのだが、京都駅に着いたのは、定刻に遅れること、わずか1分だった。
亀岡駅前の京都交通
112.京都駅8:00→8:18東山三条(京都市交通局)220円 京都22か55−43 日野/東京特殊車体
京都駅のちんちんバス ちんちんバスの車内  前のバスがほとんど遅れなかったので、予定より早いバスに間に合った。ここからは、京都市営バスの急行100系統「ちんちんバス」に乗っていこう。
 車体は、昔の路面電車を模したもの。車体の最後部は、実際には立てないものの、展望デッキのようになっている。後ろドアから乗り込むと、最後部に座席はなく、そこはネクタイピンやハンカチなどの販売品の展示コーナーになっていた。
 この急行100系統、行き先表示に「清水寺 金閣寺」とあるように、京都観光に便利な停留所だけに停まる、観光客にもわかりやすい系統なのだ。そして「ちんちんバス」は3台あって、それぞれ茶色、茶色に白帯、濃緑に塗られている。今日の車両は茶色の車両だった。
 観光の街京都とはいえ、平日のこんな時間から観光客は乗っていなかった。今乗っているのは、通勤客や通学客ばかり。木製のしゃれた椅子やレースのカーテンが、この時間帯には似合わないような気もする。
 京都の市営バスは、220円の均一運賃。全国の公営交通でも、一、二を争う高額だとか。たしかに200円を超えると、ちょっとそこまで乗ろうかな、という気にはならないかもしれない。
 バスは、三十三間堂、清水寺、八坂神社の近くを通って行く。その先の、かつて京阪の京津線という路面電車が走っていた東山三条で、このバスを降りることにした。
 ちょうど交差点に建つハンバーガー屋を見つけて、そこで朝食タイムにしたのだった。
ちんちんバスの後部
徒歩 東山三条→三条京阪 約600m
 次のバスは、この東山三条からでも乗ることができる。バス停にも8:54という時刻が書かれている。でも、まだ時間があるし、かつての京阪京津線の線路が敷かれていた道を歩いて、バスの始発地点、三条京阪まで歩いていこう。
 ちなみに京阪電車の駅名が京阪三条で、その駅前にあるバス停名が三条京阪となっている。
113.三条京阪8:50→9:24比叡平(京阪バス)350円 京都22か57−10 三菱/新呉羽
三条京阪の京阪バス  京都と滋賀の府県境をどうやって越えるか。いくつかのルートがあったのだが、今回は比叡山ドライブウェイの入口、山の上に広がる住宅地、比叡平でバスを乗り継いで行こうと思う。
 バス停には大勢の人が待っていた。ところが、一度乗ったお客さんが、一人を除いて皆降りてくる。どうやら、比叡山頂行きと間違えたらしい。名前は似ているけれども、比叡平と比叡山頂は全然違う場所だ。
 北白川からの山中越えの道路は、なかなかの山岳道路だった。カーブもきつく道幅もそれほどないから、車体の長いバスは対向車線にはみ出してしまい、運転がたいへん。途中1カ所、無線を持った誘導員が、対向車を止めてすれ違いさせてくれるところさえあった。
 山をようやく登って、右の道にはいると、突然住宅地が広がっていた。その住宅地の中を、左に右に曲がって、いくつかの停留所を過ぎていく。やがて、比叡平の放送が流れる。なんてことはない普通の道路際だった。折り返し場は、どこか別の場所にあるのだろう。降りるとき「ここで西大津へ行くバスに乗り継げますよね」と言うと「その向かいで待ってて。時間になったらこのバスが行くから」とのこと。
114.比叡平9:35→9:57西大津駅(京阪バス)350円 京都22か57−10 三菱/新呉羽
比叡平の京阪バス  先ほどの運転士さんの言葉通り、先ほどと同じバスが同じ運転士さんで、行き先だけ西大津駅に変えてやってきた。
 比叡平そのものは、滋賀県大津市。だからか、先ほどのバスはガラガラだったのに、こちらのバスには始発から数人の乗客がいる。その先の、住宅地にある各停留所でも、かならずお客さんが待っていた。
 比叡山ドライブウェイの入口、田ノ谷峠を過ぎると一気の下り。ここから、琵琶湖が一望できた。その後も、展望台という停留所があり、そこからも琵琶湖を眺めることができた。ただ、だんだん降りてくると、その分展望が利かなくなり、景色そのものは単調になったいった。
 京阪石山坂本線まで下りてくると、あとは線路とほぼ並行に南下していく。正面のJR湖西線の高架が間近に迫ってくると、左折して京阪とJRの線路をくぐる。そこはもう西大津駅のロータリーのすぐそばだった。
 運賃は先ほどと同じ350円。時間は半分ほどだ。運転士さんに「値段は同じなんですね」というと「三条からの方が得した気になるやろ」と言われた。同感だ。
115.西大津駅10:38→11:09石山駅(京阪バス)250円 滋賀200か・・81 三菱(ワンステ)
西大津駅の京阪バス  ここから乗るのも京阪バスだけれども、ナンバーが京都から滋賀に変わった。スルッとKANSAIのカード類が、ここからは使えくなった。
 予定よりも早いバスでここまで来てしまったので、時間を気にせずに駅前でのんびりしてしまった。少しのんびりしすぎたようで、予定していた湖岸経由の石山駅行きに乗り遅れてしまった。湖岸経由はしばらくないので、石山からのバスに乗り遅れるわけにもいかないから、国道経由の石山駅行きに乗っていこう。
 やってきたのは、小型のワンステップバスだった。途中、浜大津駅、大津駅と京阪とJRの中心駅へ寄っていくものの、それほど乗客は増えない。
 大津駅を過ぎてしばらくすると、経由にもなっている、国道1号線を走っていく。とくに意味はないけれでも、国道1号線を走っているというだけで、何だかうれしい。江戸時代の人は、東海道を歩いて旅したのに、今の自分はバスに乗って旅をしているのだなとか。
 京阪石山坂本線の踏切を渡って、JR石山駅の駅前がバスの終点だった。大きな広場になっていて、その真ん中にはバスの駐車スペースもあった。
116.石山駅11:20→12:15信楽駅前(帝産湖南交通)1050円 滋賀22き・455 三菱
石山駅の帝産湖南バス  ここから信楽まで行く帝産湖南バスは、旧盆中は特別ダイヤである旨が、時刻表に掲示されている。普通の休日よりさらに減便されていて、12:20のバスは運休。11:20のバスに乗るか、13:20のバスに乗るか、決めなくてはならない。一部区間が未乗の、信楽高原鉄道に乗る時間を確保するため、まもなくやってくる11:20のバスに乗ることにする。
 バスは瀬田唐橋を渡って、低い丘を走っていく。東海道新幹線や名神高速道路をくぐって進む。平野というところで右折してしばらくいくと、風景が谷間の雰囲気に変わった。大戸川に沿った渓谷で、2車線あるものの、車線はそれほど広くなく、大型車同士の行き違いが難しいところもある。けっこう交通量もあり、何回も停まって行き違いや追い越しをさせながら走っていく。
 きれいな渓谷も、ダム工事が進んでいるようで、かなり高い位置に新しい道路が造られていた。まもなく、この渓谷もダムの底になってしまうのだろう。
 谷間を登り切ったところは、信楽高原鉄道の雲井駅近く。そこからは、ほぼ鉄道に沿って走る国道307号線を信楽に向かって走っていった。バスの終点は、信楽案内所というところ。しかし、信楽鉄道への乗車と次のバスへの乗り継ぎを考えて、信楽駅前でこのバスを降りた。
117.信楽駅15:16→16:23加茂駅(西日本ジェイアールバス)1250円 京都22か65−99 いすゞ
信楽駅のJRバス 信楽駅バス停  滋賀県の信楽から京都府の加茂まで、西日本ジェイアールバス近城線に乗って県境を越えよう。ご多分に漏れず、ここも県境部分を通過する乗客はわずかで、来月末での廃止が予定されている。
 ここから、いろいろとお世話になっている、きょうばてさんが合流してくれた。JRバスに詳しいきょうばてさんの解説を聞きながら、沿線の風景を楽しむ。しかし、この路線はよっぽど国道がきらいなようで、少しでも脇道があるとそちらに入っていく。走る道は、ほぼ国道307号線には沿っているのだが。でも、そういう細道には集落があって、時々は乗客が待っていたのだった。
 石倉橋の手前で、きょうばてさんが「そろそろ石山からのバスとすれ違う頃だけれども」という。石山から信楽まで、帝産湖南交通とは別ルートでJRバスが走っているのだ。石倉橋で定刻なら、石山からのバスからこちらに乗り継げるのだという。たしかにその通り、石倉橋の少し手前で信楽行きのバスと行き違った。けれども、石倉橋でこちらのバスに乗ってくる人はいなかった。そんな乗り方をするのは、好き者だけだろうから。
 石倉橋を過ぎて、国道から左側の細道に入る。どんどん坂を下る感じだ。ここで、滋賀県信楽町から京都府和束町に入った。山が少し遠くなって開けてきたなと思ったところが、和束町の中心らしく役場があった。
 さらに下って、井平尾で国道163号線に入れば、終点の加茂駅までは、あとわずかだった。このバスは京都ナンバー。加茂の方が、この路線の基地になっているようだ。
信楽焼のたぬき
118.加茂駅16:30→17:05南加茂台5丁目(西日本ジェイアールバス)190円 京都200か・・20 三菱
加茂駅のJRバス 岩船寺バス停  これまた、9月末で廃止になる、加茂駅から南部を循環する路線にも乗っておこうということになった。岩船寺、浄瑠璃寺という観光地を巡る路線なのだが、あまりにも本数が少ない。観光ガイドブックを見ても「JRバスの路線があるが、本数が少ないので注意のこと」などと書かれている。
 やってきたバスは、とりあえず一番遠いであろう「岩船寺前」の行き先を出していた。乗客は、きょうばてさんと自分の2人だけ。最初は2車線の広い道を走っていたのだが、途中で左に分岐した辺りからだんだんと狭くなってきた。そればかりか、カーブが連続するようになる。
 そのうちに、カーブが続く狭い上り坂に変わってしまった。駅を出たときは、住宅地の循環バスの雰囲気だったのだが、いつしか山の中だ。岩船寺前に到着すると、いったんバックして停車スペースに収まった。しばらく時間調整するそうなので、運転士さんに断って外に出してもらい、写真を撮っておく。行き先はここからは、加茂駅に変わっていた。
 ハイキングなのか少しお年の男性が1人乗ってきた。岩船寺前を発車すると、今来た坂道を少し下る。先ほど来た道を左折して、今度は浄瑠璃寺へ向かう。再び狭いカーブの坂道の連続だ。そして、浄瑠璃寺に着くと、先ほどのお年寄りが降りていってしまった。夕方だが、これから参拝に行くのだろうか。
 ここからは、奈良交通の路線も乗り入れている。道も少し広くなって、坂のカーブもゆるくなった気がする。やがて、広い道に行き当たり、そこを右折していく。すると、突然、階段状になった住宅地にでてきた。これが南加茂台(ながもだい)といわれている住宅地だそうだ。そんな中に、南加茂台5丁目バス停があった。ここは奈良交通の折り返し便もある、ちょっとしたターミナルになっていて、バス用のロータリーもあった。
 かなりの距離を乗ったのだが、循環系統は最短距離の運賃を払えばよいそうだ。加茂〜南加茂台5丁目の逆回りの運賃190円でいいのだそうだ。
岩船寺のJRバス
119.南加茂台5丁目17:15→17:50JR奈良駅(奈良交通)480円 奈良22き・662 いすゞ(ワンステ)
南加茂台5丁目の奈良交通  南加茂台5丁目からは、奈良交通のJR奈良駅前行きに乗る。ここは京都府だけれども、京都へ行くバスはなく、奈良交通が奈良へ行くバスを頻繁に走らせている。
 やってきたのは、前中ドアのワンステップバス。小型ではないバスで、前中ドアになっているのを見るのは、すごく久しぶりのような気がする。それほど混んではいないバスは、どこが県境だったかよくわからないまま、いつしか奈良県へと入っていた。
 やがてバスはドリームランド前に到着。ものすごい人が待っている。たちまち座席は満席。通路もぎっしりのお客さんで埋まってしまった。そして、道路の方も車がぎっしりで、ゆっくりとしか走れない。
 ようやく近鉄奈良駅前に到着。ここで大半の乗客が降りる。もう立っている人はいない。座席にも空席ができた。緩くて広い坂道を下って、左折すれば、JR奈良駅はすぐそこだった。
 そのまま、きょうばてさんと奈良市内のバスを乗った後、三井ガーデンホテルの地下にある奈良の地ビール、倭王ビールで乾杯。2人でかなりの量を飲んでしまった。

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