くりこま高原駅→気仙沼案内所〜気仙沼大島
247.くりこま高原駅8:25→8:44沢辺駅(宮交栗原バス)400円 宮城22か66−66 日野/東京特殊車体 | |
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宮城県が、県北部栗原地域の観光活性化とくりはら田園鉄道の利用者拡大を目指して、レトロ調のシャトルバス「栗夢号しゃとる」と貸切バス「クリムジン」の2台を1997年に導入し、宮交栗原バスが運行を始めた。その「栗夢号しゃとる」が走る沢辺駅行きで、今日はスタートしよう。 朝起きて外を見ると、雪で真っ白。昨日までとは、まったく違う風景が広がっていた。バスはちゃんと走るだろうかと心配しながらバス乗り場へ行くと、チェーンをつけたバスが待っていた。 車内はおろか、外板の一部にも木材が貼ってある。中ドアの脇のカバーの中身は何かと運転士さんに尋ねると「車いす用リフト」とのこと。「車体を下げる機能もあるんだよ」とのこと。この会話をきっかけにいろいろと教えてくれた。普通のバスより車体が重く、運転には気を遣うこと。前ドアがデッキ風になっているため、フロントガラスの左半分が吹雪くと雪が付着して見にくくなること、等々。普通のバスとは違った苦労があるようだ。 走り始めてすぐに「今日はチェーンをつけてるから、乗り心地が悪いでしょう」と言われる。ふわっと積もった雪に弾力があるから、それほど悪いとは思わないのだが、毎日乗っていると違いがわかるのだろう。 終点のくりでん沢辺駅に到着すると、駅舎には「祝 栗夢号しゃとる運行開始」の横断幕がかかっている。運行を始めたのは、もう何年も前のことなのだが・・・。 |
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248.沢辺駅9:02→9:20石越駅(宮交栗原バス)430円 宮城22か63−08 三菱/新呉羽 | |
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今度もチェーンをつけたバスが、定刻4分ほど遅れてやってきた。小型の前ドアのバス。車内に乗客はなかった。 乗り込むときに整理券を取ると「1」と薄く印字されるだけ。しかしここは1番ではない。1×番なのだ。運転士さんも何度か機械を操作するが変わらない。運転士さんに断って、ボールペンで「14」と書いておく。これなら忘れることはなかろう。 ほぼ、くりはら田園鉄道の沿って走る路線。線路と迫川の間の道路を走っていく。辺りは水田であろう雪の平原が広がっている。今日は晴れているから、きらきら光って目が痛いくらいだ。 途中でおじいさんが1人乗ってくる。そして、その先の病院前でゆっくりと降りていった。 石越駅のどこにバス乗り場があったかなと思ったのだが、JRの駅前ではなく、くりでんの駅の脇に車庫を兼ねた広場があり、小さな待合室が建っていた。 |
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249.石越駅10:15→10:36石ノ森章太郎ふるさと記念館前(宮交登米バス)460円 宮城22い・348 三菱/新呉羽 | |
待合室にあった漫画を読んでバスを待つ。もう少し足下がよければ歩き回るのだが、溶け始めた雪は、靴にしみ込んで歩きにくい。 ここからは宮交登米バスになる。読み方は「みやこうとめばす」。この近くに登米(とめ)郡登米(とよま)町というのがあるから、これは郡名からとった会社名なのだろう。 このバスに乗って中田町にある、石ノ森章太郎ふるさと記念館へ行こうと思う。先ほどと同型だけれども、ちょっと赤い部分が多いバスに乗ったのは、私だけだった。 発車するとすぐに東北本線の線路を跨いで、東に向かった走っていく。駅からかなり離れたところに、石越町役場があった。バスは役場の敷地内にあるバス停に寄っていく。 さらに進むと、石越町から中田町に入る。入ってすぐのところが石森地区だ。小さな商店街のあちこちに、石ノ森章太郎のキャラクター像が立っている。その商店街の中の道が直角に曲がったところが記念館。バス停は、その角を曲がって少し行ったところだった。長い名前のバス停だから、停留所の標識も文字でいっぱいだった。 |
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見学 石ノ森章太郎ふるさと記念館 (入館料700円) | |
もちろんここで降りたからには、『石ノ森章太郎ふるさと記念館』を見学する。今日は特別企画の『里中満智子展』を開催中なので、常設展と特別展の両方を楽しむことができた。仮面ライダーを本放送で楽しんだ年代だから、本当に懐かしく楽しむことができた。 記念館隣にある蔵楽(くらら)という食事処でランチにする。足下もよくないので、ここで食事が出来たのはありがたかった。 そろそろ時間とバス停へ向かう前に、記念館前に立つ009を記念撮影しておく。 |
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250.石森章太郎ふるさと記念館12:59→13:15佐沼営業所(宮交登米バス)290円 宮城22い・348 三菱/新呉羽 | |
やってきたバスは、さきほどと同じバス。ただし、今度はチェーンをつけていなかった。今日は天気もよく、そろそろ道路の雪は溶けてきたのだろう。 先ほどは貸切だったのだが、今度は4人ほど乗客がいた。その先も、佐沼の街に近づくにつれて、ひとり二人と乗ってくる人がいた。 佐沼高校で右折してしばらく行くと、迫川の渡る。その先は、商店街の中のあまり広くない道をゆっくりと走っていく。やがて、プラットホームばかりか待合室や食堂までそろっている、立派なバス駅の佐沼営業所に到着した。 今、佐沼のある迫町の歴史資料館で、かつてここを走っていた仙北鉄道の資料展をやっているという。いってみたいが、売店の方に聞くと「歩いて15分くらいかかるよ」とのこと。次のバスまで35分しかないので、残念だがあきらめることにした。 |
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251.佐沼営業所13:50→14:54津谷営業所(宮城交通)1330円 宮城22か58−13 いすゞ | |
待合室の売店で、鯛焼きを売ってきた。お腹がパンパンで、上の皮と下の皮が今にもはがれそうなほど、お腹がふくれている。きっと、あんこがいっぱい入っているのだろう。とてもおいしそうに思えて、2個も買ってしまった。 やってきたバスの運転士さんに「津谷で乗り継いで気仙沼まで行くのだけれど、どこで乗り継げばいいですか」とたずねると「このバスが気仙沼まで行くのだけど、津谷でいったん切るから、営業所で降りて待っていて下さい」とのこと。終点の津谷は津谷代営業所よりも先で、そこから回送で営業所に戻ってくる。次の気仙沼行きは、営業所始発で津谷を通って行くということのようだ。 バスの発車までは少し時間がある。まだ温かいうちに鯛焼きを食べてしまおう。発車待ちの時間に、まずは1個たいらげてしまった。あんこたっぷりで、なかなかおいしかった。 バスは定刻に、かつて仙北鉄道佐沼駅だった佐沼営業所を発車した。バスの乗客は、自分を含めて3人だけ。道路上の雪はもうほとんどなくなったが、周りは雪景色のままだ。その雪景色を楽しんでいこう。 水田であろう雪の平原を眺めながら走っていくと、バスはやがて北上川を渡った。ここから東和町になったのだが、そこからは風景が変わって、平地からだんだんと山の風景になっていった。東和町役場前から久しぶりにお客さんが1人乗ってくる。 その先でバスは右折する。こちらの方が引き続き国道346号線なのだが、どんどん山の中に入っていくようだ。いつのまにやら、道路脇の標識に「岩手県」の文字が見える。どうやら、岩手県の最南部をかすめているようだ。 再び宮城県に戻ると、そこは本吉町。その中心集落が津谷だ。やがてバスは津谷営業所に着く。運転士さんは「ここで降りて待っていて下さい。事務室の中で待てますから」とどこまでも親切。バスはこの先、街中の案内所まで行って戻って来るという。 |
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252.津谷営業所15:18→16:12気仙沼案内所(宮城交通)850円 宮城22か58−13 いすゞ | |
津谷から気仙沼に行くバスは、3つの経路があることが、事務所に貼られた時刻表からわかった。そこには「旧」「バ」「ゴ」の文字が書かれていた。「旧」は旧道経由、「バ」はバイパス経由と想像がつく。でも「ゴ」とはいったい何の略なのだろう。次に乗るバスには、その「ゴ」が書かれている。 先ほどのバスが戻ってきて、行き先表示を変える。すると「ゴルフ場 旧道松岩経由→気仙沼」の文字が現れた。「ゴ」はゴルフ場だったのか。 バスは定刻に発車すると、すぐに本吉の街中を走る。国道346号線から国道45号線にはいると、三陸の海がちらちらと見えてきた。この先もっと海が見えるぞと思ったところで、左折して細い道に入っていった。これがゴルフ場経由の道のようだ。 曲がってすぐの、細道のくねっている途中にある大谷小学校前でおじさんが1人乗ってきた。そして、この方、3つほど先のの停留所で降りてしまった。1日数本しかないゴルフ場経由を、うまく使いこなしているようだ。 この道は狭くて坂道の連続。しかも日陰では雪が凍結してアイスバーンになっている。チェーンをつけていないバスは、慎重に凍った下り坂を走っていく。階上中学校前で女子中学生が3人乗ってきた。運動部の帰りのようだ。この辺りは三陸にはめずらしく平地が広がっていて、その向こうに青い三陸の海が見える。その先でようやく細道から国道に戻った。 もう気仙沼市域に入っており、先お客さんが待っている停留所が増えてきた。やがて「旧道経由の場合、次は松岩」という放送が流れる。経由別の放送だあるようだ。やがて、気仙沼の市街地に入り、明日乗り継ぐ市役所前バス停を通る。その次が気仙沼案内所バス停だった。 |
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番外1.気仙沼:観光船桟橋16:40→17:05大島:浦の浜港(大島汽船) 400円 カメリアキッス | |
今日は、気仙沼湾に浮かぶ大島の民宿に泊まることにしている。そこで、大島汽船の乗り場エースポートへと向かう。 窓口できっぷを買って、桟橋へと向かえば、待っていたのは「カメリアキッス」という名の、けっこうモダンな双胴船だった。本土と島を結ぶ、もっと地味な連絡船を予想していたのだが。 気仙沼湾にはいくつかの航路があり、対岸の唐桑半島・小鯖港とを結ぶ唐桑汽船。気仙沼湾に浮かぶ大島へはエースポートからの旅客船と、商港岸壁からのカーフェリーを大島汽船が運航している。唐桑半島へは1981年にこの汽船で渡ったことがあり、大島へも1985年だったかに一度行ったことがある。(唐桑汽船は、2007年3月末で廃止になった) 船は定刻に出航した。だんだんと暗くなっていく気仙沼湾の風景を楽しみながら、大島へと向かっていった。 25分ほどかかって、大島の浦の浜港へ着いたときには、辺りは真っ暗になっていた。ここからは、島のバスに乗って民宿に向かう予定だ。こんな真っ暗闇でバス停は見つかるのだろうか。 |
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番外2.浦の浜17:06→17:10大島支所前(宮城交通) 130円 宮城22か56−47 日野 | |
なぜ大島に来たかというと、大島にも路線バスが走っているからだ。しかも、本土と同じ会社の路線バスが。自分の知る限り、橋でつながっていない離島に、本土と同じ会社のバスが走っているのは、利尻島・礼文島の宗谷バスと気仙沼大島の宮城交通。博多湾・能古島の西鉄バス。それから、長崎県にも平戸の方にあったような。それにしても、数はそれほど多くないはずだ。島のバスというと、自治体バスや地元の企業が多い。 たしかに暗くて、バス停のポールはよく見えないものの、岸壁にはバスが1台停まってドアを開けているではないか。方向幕には「新王平」の文字があり、このバスで間違いなさそうだ。 下船する乗客から、ひとり二人とバスに乗っていく人がいる。暗闇でどうなるかわからないが、1枚写真を撮ってからバスに乗った。さらりと座席が埋まる程度の乗りで、船からの乗客が終わると発車した。車窓を楽しむのは明日にして、とりあえず2つ目の大島支所で降りる。 今夜は、大島観光協会に紹介してもらった「アイランドハヤシ」という民宿に泊まる。1人旅ということを承知して予約を8000円で受けてもらった。すると、夕食の膳にはこれでもかと、魚がならんだ。 |