第5日 〜2008.1.14(月・祝)〜

洞爺湖温泉(櫻町)→登別温泉

19.櫻町7:37→8:00洞爺駅(道南バス)320円 室蘭22う・323 日野
櫻町の道南バス 櫻町バス停  朝食を早めに済ませて、バス停に向かう。洞爺駅へ行くバスは、このあとは9時過ぎまでない。昨日通った道を戻る壮瞥経由の伊達方面ならあるのだが、せっかくだから違う経路を行きたい。
 やってきたバスの行き先は「ふるさとの丘総合福祉館」下に小さく「洞爺駅経由」とあるから、これで間違いなさそうだ。昨日、倶知安から乗ったバスと同様の、トップドア車だった。先客は誰もいない。
 バスターミナルに寄ると、ここからは1人乗ってきた。祝日の早朝だから、こんなものなのだろうか。ターミナルを出ると、すぐに湖岸を離れて上り坂へと進む。噴火の影響で木々が少なくなってしまったのか、展望がききいつまでも湖岸が見えている。
 やがて左手に噴煙が見えてきた。思った以上に道に近いところから吹き上がっているので、ちょっと驚いてしまった。これが有珠山の西山火口で、4月になれば遊歩道を歩けるようになるのだとか。
 そこを過ぎると、目の前に噴火湾が広がる。下の方には洞爺の街並みが見える。あそこまで、一気に下っていくのだ。たしかに、洞爺駅と洞爺湖は4kmほどしか離れていないのに、途中にある峠は標高250m以上ある。その高さを下っていくのだ。
 街中まで降りてきて、虻田高校前でもう1人のお客が降りてしまい、乗客は自分だけになってしまった。その先で、住宅街の細道に入っていき、協会病院というところに寄っていくが、祝日の早朝だから乗降なし。
 目の前に洞爺駅のホームが見えるものの、駅舎は海側に建っている。バスは右側に進み踏切まで大回りしてから、駅舎前のロータリーに到着した。
有珠山の噴煙
20.洞爺駅8:45→9:13伊達駅前(道南バス)390円 室蘭200か・503 日デ/西工(ノンステ)
洞爺駅の道南バス 洞爺駅のポスター  次に乗るのは、豊浦しおさい前始発の伊達駅前行き。少し時間があるので、駅の待合室に行く。別室のホールになったようなところに、丸テーブルと椅子が置いてある。洒落た喫茶店のような雰囲気。
 壁には豊浦町出身で、亀田大毅を破って王座防衛を果たした内藤大助選手を讃える貼り紙とともに、「鉄子の旅」単行本の全6巻完結ボックスに入っていた駅弁マップが貼ってあった。いくら人気といっても、何で洞爺駅に鉄子が!? よく見ると、洞爺駅の「ホッキめし」が選ばれていたんですね。
 そう、この待合室には駅弁の販売所も、ちゃんとあったのだ。でも、まだ時間が早いのか、残念ながら販売はしていなかった。
 そろそろ時間と、バス乗り場に移動して待つと、やってきたのはノンステップバス。大都市から離れたところでノンステップバスに出会うと、まだちょっと違和感を感じるとともに、全国どこでもバリアフリーが広まっているなと実感もする。
 バスはひたすら国道37号線を行く。時々海が見える他は、緩やかなアップダウンを繰り返す、あまり曲線のない道だ。天気がよくないこともあり、どうも景色が単調に感じてしまう。バスはまっすぐ伊達駅へは向かわず、国道をまっすぐ走り小高い丘の上にある伊達警察署の前を過ぎる。その先の日赤前まで行って、ようやく右折。その先は、伊達の市街地を通って伊達駅へと向かっていった。
洞爺駅の駅弁屋さん
21.伊達駅前9:25→10:02白鳥台中央(道南バス)480円 室蘭22う・288 日野
伊達駅前の道南バス 伊達駅前のバス乗り場  伊達からは室蘭港行きのバスに乗っていく。ここからは、ほぼ30分〜1時間に1本と運転本数も格段に増える。駅にはちょうど寝台特急「北斗星3号」が到着したところ。さすがに北斗星を撮るのに入場券を買う気にはならず、バス乗り場の隅の柵外からスナップだけしておく
 今度のバスは、前中ドアのけっこう大きなバス。車内は2人掛けのリクライニングシートが並んでいる。中ドアがなければ、ちょっとした観光バス気分だ。伊達駅前の待合室に待っていたのは、室蘭まで映画を見に行く、おばあちゃんと孫2人。久しぶりに自分以外のお客さんと一緒にバスに乗り込む。
 伊達駅前を発車すると、日赤前までは先ほど通った市街地の道を戻っていく。日赤前からは、再び国道37号線を走っていく。伊達の市街地を出てしまえば、道はあまり曲線のない緩やかなアップダウンが続く。
 車内はというと、室蘭が近づくにつれてだんだんと乗客が増えてきた。今回の旅で、これほど乗客が乗っているバスは、これが初めてだ。稀府を過ぎたあたりで、2人並びの空席がなくなってしまった。その先の停留所でも、お客さんが数人ずつ待っている。2人掛けの席がだんだんと埋まっていく。
 黄金を過ぎて、伊達市から室蘭市に入る。道路も高台に向かって上り坂になる。その坂道の途中で、バスは左折して住宅地の中に入っていく。ここが白鳥台という、室蘭市の西にある住宅地なのだそうだ。そんな住宅地の中にある、白鳥台中央バス停で降りる。意外にも自分以外に5人ほど降りた。
伊達駅を発車する北斗星
22.白鳥台中央10:14→10:36エンルムマリーナ(道南バス)300円 室蘭22う・396 日デ/富士重工
白鳥大橋経由日鋼病院行き 白鳥大橋からの眺め  室蘭湾の入口に、湾を跨ぐ白鳥大橋がある。大型船が入港する室蘭湾を跨ぐため、海面上約55mのところを通る吊り橋だ。
 ここを通る路線バスが、1日2往復走っている。室蘭の市街地を出て、白鳥台中央で折り返し白鳥大橋を渡って絵柄半島に渡る。室蘭の市街地を通って日鋼病院前まで行く路線だ。ただし、道南バスの時刻表には「強風時は白鳥台中央で折り返し運転になります」とある。
 今日はそれほど風もないし、大丈夫だろう。やがて、LEDで日鋼病院と表示したバスがやってきた。よかった、これで白鳥大橋が渡れる。
 白鳥台中央を出たバスは、一気に坂道を下る。国道37号線と室蘭本線の線路をくぐる。そこが高架になっている崎守駅前だった。そこからは海岸沿いの道を行く。隣には貨物線が走っている。陣屋町貨物駅から伸びる側線で、旧室蘭本線を利用しているのだとか。
 その貨物線の踏切を渡ったところで、白鳥大橋へとつながるインターチェンジへの上り坂へと進んで行く。元々は有料道路として計画された橋なので、取り付け部分はまるで高速道路のようだ。
 そして、バスは白鳥大橋へと進んで行く。周りに障害物のない、標高50mの眺めというのはなかなかいいものだ。航空写真とはいかないまでも、製鉄工場などが並ぶ室蘭湾の風景を高いところから眺めるのは、初めての経験だ。できればもっと遅く走って欲しいと思うものの、数分で渡ってしまった。ループ状の坂道で地平に降りてしまった。
白鳥大橋から室蘭湾を眺める
見学 白鳥大橋記念館と道の駅「みたら室蘭」 むろらん温泉「ゆらら」入浴&昼食
白鳥大橋 道の駅きっぷ  今日はここで3時間を過ごす予定。まずは、バス停の正面にあるエンルムマリーナに入ってみる。冬場はやっていないが、イルカ・クジラウォッチングの基地にもなっていて、イルカやクジラの写真が展示されているのを見学させてもらう。
 そこから300mほど歩いて道の駅「みたら室蘭」へ。1階の白鳥大橋記念館をゆっくり見学して、それから喫茶室でひと休み。3階には展望台もあり、白鳥大橋をいろいろと楽しむことができた。ところどころ雲が切れて、青空が顔を出してきた。
 そして、道の駅とマリーナの間にある、むろらん温泉「ゆらら」へ。ここで入浴と昼食にする。浴槽のいくつかは真湯の表示がある小さな温泉だが、ゆっくりすることができた。
23.エンルムマリーナ13:34→13:45産業会館前(道南バス)200円 室蘭22う・394 日デ/富士重工
エンルムマリーナの道南バス バス停とエンルムマリーナ  本数の少ないバスに乗り遅れてはと、発車10分ほど前に温泉を後にエンルムマリーナバス停に向かう。
 定刻に、絵柄団地からの東町ターミナル行きのバスがやってきた。前中ドアのバスで、車内の乗客はそれほど多くはなかった。
 エンルムマリーナを出ると、道の駅の前を通り白鳥大橋からつながる道道へと右折していく。右側は崖になった高台。左側は室蘭湾との間に工場が建ち並んでいる。海はそれほど遠くないのだが、ほぼ標高0mしかない道の両側に工場が建っているから、ほとんど海を見ることはできない。
 やがて、左手が開けた公園になっているところに出た。そこが、産業会館前バス停だった。バス停の前には、立派な建物が建っている。これが旧室蘭駅で、現在は室蘭市の観光案内所と多目的ホールになっている。
 1997(平成9)年に室蘭駅が200mほど手前の場所に新築され、室蘭本線も短くなってしまった。旧駅舎はその年の9月30日限りでその使命を終えてしまった。しかしながら、1912(明治45)年に造られた北海道の駅舎最古の木造建築という貴重なもので、翌1998年に室蘭市に譲渡され保存利用されているのだという。
 次のバスまで10分ほどしかないのだが、バス停は目と鼻の先。観光案内所になっていて、自由に入れるようになっているから、少し見学してこよう。駅舎として使われていたから、とにかく天井の高い建物だ。内部は完全保存というわけではないようだが、駅舎の雰囲気を感じることはできた。
旧室蘭駅舎
24.産業会館前13:57→15:12登別温泉(道南バス)710円 室蘭22う・381 日野
産業会館前の道南バス  今日最後に乗るのは、室蘭港から登別温泉へ行くバスだ。全区間乗ると1時間20分ほどかかる、けっこう長い路線。しかしながら、やってきたのはごく普通の市内線用、前中ドアのバスだった。
 室蘭のバスの中心、東町ターミナルを過ぎたあたりが一番乗客が多かった。しかし、市街地から離れるとだんだんと乗客は減っていった。バスは国道36号線を行く。海からそれほど離れていないはずなのだが、海の見えるところはない。
 幌別は国道から1本山寄りの道を行く。駅舎は山側のようで、バス停は駅前ではなく、幌別本町を名乗っていた。その先、富浦駅前へ入るため、海側の旧道へ入っていく。駅前を過ぎて、ようやく右手に太平洋を見ることができた。
 でも、海が見えたのはわずかな時間。トンネルを抜けると、すぐに線路を跨ぐ道に入り、山側の国道に戻ってしまった。乗客が自分だけになって、登別駅前に到着した。
 駅前には数人のお客さんが待っていた。ここからは、最寄り駅から温泉へ行くバスに変身だ。紅葉谷入口を過ぎて、突然英語の車内放送が流れたのには驚いた。登別温泉のターミナルは、そのすぐ先だった。

ホーム▲ 旅目次△ <第4日 第6日>