佐多岬→国分駅
1.佐多岬11:42→11:53ふれあいセンター(鹿児島交通)380円 鹿22か16−17 いすゞ/IK COACH | |
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この旅最初のバスは、鹿児島交通のバス。佐多岬バス停のポールには「本土最南端」の文字があり、旅のスタートにふさわしい。 大泊行きのバスは、その大半を佐多岬ロードパークという有料道路を走る。乗客は、私と同居人の2人だけ。アップダウンとカーブのきつい道をバスは走っていく。途中には、バス1台がやっとのトンネルもある。 途中、唯一の停留所「田尻」を過ぎて少し行ったところで、除草作業風のおばさんが手を挙げる。バスは停まっておばさんを乗せる。少し行ったところで、おばさんは「ここでお願いします」といって降りていく。もちろん、運賃は払わない。沿道の除草作業者の輸送を兼ねているのだろう。 料金所を出たところが大泊なのだが、バスはすぐにUターンして、有料道路脇の細道へと入っていく。海沿いの道をいったところにあるのが、ふれあいセンター。食事もできる宿泊施設とのこと。次のバスもここ始発だそうで、降りて食事をとることにした。 |
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2.ふれあいセンター13:05→14:03ネッピー館(鹿児島交通)850円 鹿22か16−17 いすゞ/IK COACH | |
ふれあいセンターは、本土最南端を名乗るホテル。レストランは宿泊しなくても利用できる。そのレストランで、私は黒豚メンチカツ定食に地ビール「太平洋ビール」の中ジョッキ。同行の同居人はネギトロ丼で昼食。 食事が終わって、バスまで時間があるので外に出てみると、青い海がすぐそこで気持ちがよい。やがて時間になると、先ほどのバスが鹿屋の行き先を出してやってきた。真っ青な海の見える海沿いを走るところが多く、景色が抜群の路線だ。残念なのはバスの本数が少ないこと。 バスも少ないが子どもも少ないようだ。佐多の手前では、体育館に「根占高校佐多分校閉校式会場」の案内幕があったり、登尾というところでは「平成14年3月17日登尾中学校閉校」の看板があり、「閉校まであと0日」のままになったカウントダウン標識があった。 鹿屋ではなく垂水に向かうため、佐多〜大根占でこの後に来るバスに乗り換えなければならない。JTB時刻表にも停留所の記載があるものの、いったい何なのかわからなかったネッピー館バス停で降りてみることにした。博物館か何かかなと思っていたのだが、それは宿泊もできる温泉施設とわかり、ここでひと風呂浴びて次のバスを待つことにした。 |
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3.ネッピー館14:49→15:55垂水港(鹿児島交通)990円 鹿児島22き・659 いすゞ/IK COACH | |
ネッピー館の温泉は食塩泉だそうだ。湯船で飛び跳ねたお湯がたまたま口に入った。すると、ものすごく塩辛いではないか。海水より塩辛いのではないかと感じるほどの食塩泉だ。こんな温泉に入ったのは初めてのことだった。 身体の芯まで温まり、涼みがてら少し早めにネッピー館前のバス停でバスを待つ。次のバスは時刻通りにやってきた。荷物を抱えて座席に座っていると「どうせ空いとるから、こっち置いといてええよ」と運転士さんがいう。お言葉に甘えて、大きなバッグを空いている座席に置かせてもらう。 今度も海を眺めながらの気分のいいドライブ。所々で山側の旧道に入り、集落の中のバス停に寄っていく。そんな旧道にある神川バス停から小学生の女の子が1人で乗ってくる。乗るときお母さんが運転士さんに降りる停留所を告げていた。 小さな峠を越えると、正面に桜島が見えてきた。この方角から桜島を眺めるのは初めてだ。浜田を過ぎると、鹿屋へ向かう国道が右へ分かれていく。このバスは、そのまま左側の海沿いの道を進んでいく。その道に入った内越バス停の先で、鉄道のガーター橋のようなものをくぐる。そういえば、かつて大隅線という鉄道が走っていた。その廃線跡だろう。その後も、鉄道の遺構を道路に沿っていくつも見ることができた。 バスは標識に従って左折すると、桜島が正面に見える。そこはまだ新しい、垂水港のターミナルだった。16:05の発車まで10分停車すると肉声で放送が入る。これなら、予定より早いバスに間に合うかもしれない。運転士さんに断って、ポールの時刻表を確かめに行くと、なんと15:59という便があるではないか。急いで運賃を払って、バス乗り場に向かった。 |
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4.垂水港16:02→17:14国分駅(鹿児島交通)1000円 鹿児島22き10−34 いすゞ | |
バスは3分ほど遅れてやってきた。入口の脇にサボがささっており、それによるとこのバスは東笠之原というところが始発のようだ。いったいどこなのだろう。まったく知らない地名だ。 バスの外観は先ほどまでと同じものの、空港行きだからか車内の造りはまったく違っていた。座席は1列少ない8列ですべてリクライニングシートになっている。また、ドア側は前2列の座席を取り払って荷物置き場になっている。座席は全部で29席しかない。しかも通路は狭い。ローカル路線兼用のリムジンバスといったところか。 バスは左手に錦江湾、右手に大隅線の廃線跡を見ながら走っていく。桜島がだんだんと近づいてきて、桜島口で本土と島が地続きになっている。 桜島口バス停は、周囲に民家はないもののちょっとしたバスターミナルになっていて、道路を挟んで3台のバスが停まる。このバスと桜島行きが同じ側に、反対側には垂水行きが停まっている。何もないこんな道ばたで接続しているのが、ちょっと不思議なくらいだった。 やがて高速道路が見えて、風景も開けてきた。どうやら国分の街に入ったようだ。市街地に入り国分駅に到着。ここから鹿児島空港までは特急運転でノンストップ。しかしながら、乗客はすべてここで降りてしまい、新たに乗車する人もおらず、空港へ向けてバスは発車していった。 |