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第2日 〜2002.3.31(日)〜

国分駅前→延岡駅前バスセンター

5.国分駅前8:15→8:40霧島神宮駅(林田バス)430円 鹿22か12−80 三菱/呉羽
国分駅前の林田バス  今日からは林田バスに変わる。昨日の鹿児島交通と同じいわさきコーポレーションの会社だ。元貸切車だったのか、車内はリクライニングシートが11列も並び、補助席も付いている大型車だ。使われているのかどうかわからないが、ドアのすぐ脇にはクーラーボックスまで付いていた。
 国分駅前を出たバスは、霧島神宮とは逆方向に走り、国分の街をコの字に走って、ほぼ一周してから霧島神宮を目指す。
 入戸というバス停を過ぎると、車窓から畑がなくなり登り坂とカーブに変わっていく。霧島峠と書かれたところを過ぎると、下り坂に変わりどんどん下っていく。
 少し人家が増えてきたなと思ったら、交差点を2つほど曲がり、朱塗りの欄干の橋を渡ると、そこが霧島神宮駅だった。
 このバスは霧島いわさきホテル行きで、このまま乗っていってもいいのだが、高千穂河原経由霧島いわさきホテル行きが休日に1日1本だけ運転されている。今日はその運転日の日曜日。ということで、霧島神宮駅で降りて、その貴重なバスに乗ってみよう。
6.霧島神宮駅9:10→10:03霧島いわさきホテル(林田バス)690円 鹿児島200か・・69 日野
霧島神宮駅の林田バス 霧島神宮駅  朝食がまだなので、駅の近くをうろついてみるものの、コンビニはなかった。しばらくしてやってきたのは、昨日の鹿児島交通のような、白を基調としたボディーに椰子の木をデザインしたものだった。
 行き先表示の「霧島いわさきホテル」もホテルのロゴなのか、デザイン文字で書かれていた。その下に高千穂河原経由の文字が入り、貴重な休日1本のみ運転のバスを演出してくれている。車内は運転席の後ろ2席分が板敷きになっている。荷物置き場のようなので、運転士さんに断ってバッグを置かせてもらう。
 発車直前にJRの特急が到着すると、駅からザックを背負ったハイカーが4〜5人やってきて乗り込んだ。そして、定刻に発車する。霧島神宮までは他の路線も走るところ。ちょうど桜の盛りが過ぎたところで、ひらひらと散る桜吹雪の中をバスは走っていく。
 霧島神宮を出ると、いよいよ高千穂河原へ向かう県道へと進んでいく。最初は道に覆い被さるように生えていた樹木も、次第に背の低いものへと変わって、展望がきくようになってきた。やがて、高千穂河原に到着。しばらく時間調整するというので、降りて空気を吸いがてら、貴重なバス停を入れて写真を撮っておく
 ここから先の道がなかなかよかった。すれ違えないような細道あり、湯煙が上がる岩場ありと、なかなか風景に富んでいた。新湯温泉では、窓を締め切っているにもかかわらず硫黄のにおいが車内に漂ってきた。
高千穂河原の林田バス
7.霧島いわさきホテル11:28→11:46えびの(林田バス)330円 鹿児島200か・・93 三菱
林田温泉の林田バス  林田温泉の大きな看板の建つ「霧島いわさきホテル」の日帰り温泉でひと風呂浴びる。入ってビックリ、とにかくここの露天風呂は広かった。何段にもなっていて、上へ行ったり下へ行ったり、あちこちの湯船に入って楽しんでしまった。朝食がまだなので、何か食事でもと最初は考えていたのだが、温泉の方が楽しくなってしまった。
 次に乗る林田バスのえびの行きは、遠路鹿児島からやってくる特急バス。ホテルの前を一回りし、バス停にやってきたバスは、今まで乗ったものと見た目は代わり映えはしなかった。ただ、方向幕に「特急ゆけむり」の文字があり、車内はリクライニングシートになっているなど、特急仕様になっているようだ。
 新湯入口までは、先ほど通った道を戻る形になる。そこから左に曲がって、えびの高原を目指す。途中、登山口バス停でハイカーが降りると、残っているのは私たちを含めて4人ほど。
 しばらくして「宮崎県」の看板が見える。無事、県境を越えて宮崎県へ入ったようだ。やがて、道沿いに鹿の姿が見えてくる。「えさをやらないでください」の看板があるものの、車を停めて餌をやっている人もいる。レストハウスと駐車場のあるところが、えびの高原バス停だった。
8.えびの高原12:07→14:23宮交シティー(宮崎交通)2450円 宮崎22か・408 日野/西工
えびの高原の宮崎交通 バスのサボ  時刻表では林田バスが「えびの」、宮崎交通が「えびの高原」と違った表記になっていたが、実際は同じところにあり、木製のバス停には「えびの高原 宮崎交通 林田バス」と書かれていた。
 やってきたのは、なつかしいモノコックバス。えびの高原から宮崎空港まで、宮崎県を横断する長距離特急バスだ。それにしては年季の入った車両を使っているものだ。発車前に売店で買ってきた、大きな高菜のオニギリで空腹を満たしてしまおう。
 数人のお客を乗せて、バスは定刻に発車した。まずは、火山地帯の高原を走り抜ける。岩場が硫黄で黄色や白に変色しているところあり、もうもうと煙を上げているところもある。硫黄臭が車内にまで漂ってくる。その先の不動池は水面がきれいな青色をしている。高校の化学でやった硫酸銅の水溶液のようだ。
 その先は、カーブが延々と続く下り坂になった。運転士さんがハンドルを回す手を休めることができないくらい、小さなカーブが連続している。環野というところまで来て、ようやく山下りが終わった。周囲には畑が見えてきた。生駒温泉の手前には「日本一怪しい公園」なるものがあって、たしかに怪しい作り物が並んでいた。小林インターを過ぎても、小林の街まではまだ距離があるようで、結局えびの高原から1時間近くかかって、小林バスセンターに到着した。
 ここで乗務員の交代があった。宮崎までの普通便はJRバスにまかせているようで、宮崎交通は特急便となり、停車停留所も少なくなる。そんなわけで、JRバスの方が本数が多いにもかかわらず、停留所にはしっかり待ち人がいることが多かった。そのほとんどがお年寄り。何やら降りるときオレンジ色の定期券のようなものを見せて100円玉を運賃箱に入れていく。何なのだろうと思ったら、これが「悠々パス」というものだそうで、年間15000円を払ってこのパスを買うと、あとはどんなに乗っても1乗車100円でいいのだそうだ。
 宮崎市内で渋滞にあい、5分ほど遅れて宮交シティーに到着した。
えびの高原の風景
9.宮交シティー14:40→16:02高鍋バスセンター(宮崎交通)1170円 宮崎22か・832 日野
高鍋に到着した宮崎交通  この旅が始まってから、ここまで乗った8台のバスは前ドア車かりだった。観光のお下がりもあったけれども、大きな方向幕をつけているにもかかわらず、リクライニングシート装備など、どうも観光路線のような車両ばかりだった。ここへきて初めて前中2ドアのバスになった。少し都会の雰囲気のする路線バスになったようだ。
 2段サッシの上段に、宮崎牛の広告文字が貼られていて、少々景色を見るには不便だった。宮交シティーを出るときには、それほど混んではいなかったものの、宮崎市街地でかなりの乗車があり、いつしか座席は満席になっていた。こんなに混んだバスに乗るのも、この旅初めてのこと。団地入口バス停でまとまった下車があったものの、その先でもぽつぽつと乗ってくる人がいた。
 佐土原の手前まで国道10号線が渋滞し、バスは遅れ気味になる。「今別府」と書いて「いまびゅう」なるバス停もあり、どうすれば読めるのかと感心してしまう。
 高鍋市街地に入ると、宝酒造前バス停などという興味をそそるバス停もあった。渋滞が影響して、9分遅れでバスセンターに到着した。
10.高鍋バスセンター16:10→16:31トロントロン(宮崎交通)390円 宮崎22か・497 日デ/富士重工
高鍋バスセンターの宮崎交通  高鍋から北へ向かうには、ロックタウン日向行きに乗って日向市へ行けばよい。高鍋から北へ向かうバスのほとんどは県道経由になっている。しかしながら、国道10号線を経由するバスも、ごくわずかだが運行されている。その10号線経由の都濃行きがすぐに接続してるので、これに乗って途中まで先行してみよう。
 バスの方向幕は「10号線→都濃」となっており、10号線経由であることをしっかり主張している。バスはバスターミナルを発車すると、国道10号線へ戻って北上をする。高鍋大橋を渡ると住宅前バス停。ここで3名下車。やはり、国道経由を運転する意味はあるのだと思ったのだが、その先2つのバス停での下車はなく、その先で県道経由のバス路線と合流してしまった。
 やがて、国道から右側の道に入って川南町の中心街を走っていく。その中で、商店が立て込んでいる中心街らしいところが、トロントロンだった。ちょっと変わった名前だが、別にトロン温泉がわいているわけではない。宮崎交通のウェブページによると、わき水がトロントロンと音を立てて流れ出していたことによるのだとのこと。せっかくだから、都濃まで行かずに、ここで次のバスを待つことにしよう。
11.トロントロン16:51→17:53都町(宮崎交通)1160円 宮崎22か・831 日野
トロントロンの宮崎交通 トロントロンバス停  バスは時刻表通りにやってきた。車内に乗客は多かったものの、ほとんどが都濃までに降りてしまい、都濃を過ぎて乗っているのは私たちを含めて4名だけになった。先ほど乗った、都濃までの区間便があるのも、こういう利用実態があるからなのだろう。
 美々津駅入口からは海沿いの旧道に入っていく。細道の急坂を下っていくと、目の前には青い海が広がり、下にはJR美々津駅が見える。こんな風景が眺められるのも路線バスの旅ならではと、おもわず笑みがこぼれてしまう。レンタカーや貸切バスで国道を突っ走っていては、こんな風景を目にすることは出来ないだろう。
 いったん国道に戻って石並川の渡ると再び海沿いの細道に入っていく。美々津海岸通バス停は、本当に海岸沿いの松林のそば。そこから先が美々津の集落らしい。狭い道の両側に人家や商店が並んでいる。左側の写真のような、駐車車両の間を縫うようにバスは走りぬけていく。そんな集落を抜けると、対向車が来たらどうしようもない細道の坂を登って、再び国道へと戻った。
 美々津大橋を渡ると、いよいよ日向市が近づいてきた。日向はいったいどこでバスを乗り継げばよいのかわからなかった。駅と付く日向駅東口バス停なのか、それともこのバスの終点、海沿いにあるショッピングセンターのロックタウン日向か。宮崎交通の時刻表と首っ引きで調べて、ようやく市街地にある都町で降りれば、延岡方面へのバスに乗り継げることがわかった。
美々津の旧道
12.都町18:06→18:50延岡バスセンター(宮崎交通)860円 宮崎22か・421 三菱/呉羽
都町の宮崎交通 宮崎交通のサボ  18時を回り、いくら九州といえども暗くなってきた。そこへやってきたのは、日向高校始発の延岡駅行き。このバスは、ロックタウンを通らないから、最初は乗り継ぐことが出来ないと思っていたのだ。
 やってきたのは、えびの高原から乗ったのと同じような、前ドアのモノコックバス。ドア側の一番前にはクーラーボックスがあるから、貸切バスのお下がりなのだろう。
 春休み中の日曜日だから、高校が始発でも高校生は乗っていなかった。乗客のいないバスに都町から乗ったのは、私たち2人だけ。その後も、途中で乗ってきたのは1人だけだった。日曜日の夕方だからか、人の流れが逆方向なのか、リクライニングシートの大型バスではもったいない乗客数だった。
 日向から延岡への途中で、トトロ4連発。土々呂、土々呂海岸通、土々呂公園前、土々呂中学校前。先ほどのバスでは、土々呂毛なるバス停を通ったものの、あちらは読みは「とどろげ」と濁るそうだ。当初、土々呂で降りて記念撮影でもと思っていたのだが、すでに周囲は暗く次のバスまで40分もある。明日はちゃんと漢字でない「ととろ」へ寄るのだし、今日の土々呂はパスしておこう。
 えびの高原から延岡駅前バスセンターまでの運賃総額は6030円。でも今日は土日に限り1日1200円で乗り放題の「ホリデーパス」(現在は廃止)を使ったから、懐にはやさしく済んだ。このパスは営業所でしか売っていないため、数日前に宮崎に旅行に来ていた知り合いに買って送ってもらったのだ。
延岡に着いた宮崎交通

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