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第47日 〜2003.8.16(土)〜

小樽駅→積丹神威岬→小樽駅

306.小樽駅6:50→9:04積丹神威岬(北海道中央バス)1660円 札幌22か12−99 日野
神威岬に着いた中央バス 海岸風景  「ぐらんぶるしりべしフリーきっぷ」の2日目。今日は、昨日行けなかった積丹半島をバスで一周してこようと思う。とくに半島西側のバスは1日2本しかないから、がんばって早起きをした。
 小樽からの乗客は2名。昨日は渋滞していた塩谷の海岸を、今日はスムーズに走っていく。海岸でキャンプをする人がたくさんいて、その辺りの路側帯には、車がびっしりと停まっている。蘭島の海岸からは、遠くに海にそびえる岩崖が見える。
 余市駅前で、時間調整を兼ねてしばらく停車。余市の駅前や市街地で数名乗ってくる。街外れの余市梅川車庫までは急行運転で、いくつか通過する停留所があるようだ。
 しばらく行くと、ようやく海が見えてきた。さっき蘭島の海岸から見えたのは、余市漁港だったのがここまできてようやくわかった。
 梅川車庫を過ぎると、この先狭小トンネルが多いという警告看板が立っている。運転士さんは、そんなトンネルに入る前には、必ずクラクションを鳴らして、それからトンネルに入っていった。
 1996年に豊浜トンネルの岩盤崩落事故があったこともあってか、新しいトンネルを堀り直しているところが何カ所もあった。すでに新しいトンネルになっているところもあるし、工事中のところもある。下の沖覆洞もすぐ脇で新トンネルの工事中。上の写真のような奇岩を車窓から眺められるのも、あとわずかな期間かもしれない。
 国道から右折した美国バス停で5分の時間調整。ここから乗ってくる人がけっこういた。こんなところにも、かつてはスキー場があったようで、廃リフト跡が木立の中に見えるところがあった。
乗客は地元の方がほとんどだから、みな神威岬まで行くことはなかろうと思っているとその通りで、終点まで乗ったのは、自分1人だけだった。
神威岬行きのサボ
改修工事の進むトンネル
散策 神威岬の遊歩道
神威岬の入口 神威岬の突端
花  せっかく天気もいいし、神威岬の先端まで歩いてこよう。片道20分ほどだというから、何とかバスの発車時間までには帰ってこられるだろう。この先、岩内方面のバスに乗り継ぐならもっと時間はあるのだが、せっかくだからいったん戻って温泉に入ろうと考えているのだ。
 かつて、神威岬は女人禁制だったとのこと。その境界だった門をくぐって、先端への尾根沿いの遊歩道を歩いて行く。とにかく海が青い。こういう「青」は、今まで見たことがない。しかも、海底の岩が透けてはっきり見えるのだ。下を向くと、吸い込まれてしまいそうになる。
 それなりのアップダウンがあるものの、全体的には行きはほとんどが下りだ。ということは、帰りはほとんど登りになるということだ。
 岬の突端では、もう少しゆっくりしていたいが、バスの時間が気になってしまう。登り坂になることを考えて、わずか5分ほどの滞在で遊歩道を戻ることになった。
 多少汗をかいたって、この後すぐに温泉に行くのだからかまわない。予定通り、小樽へ戻るバスに間に合うように戻ってくることが出来た。
女人禁制の門
岬の突端へ
アップダウンのある遊歩道
307.積丹神威岬10:01→10:24岬の湯しゃこたん(北海道中央バス)390円 札幌22か12−99 日野
神威岬の中央バス  ここから、半島西側を行くバスは11時と14時の1日2本しかない。まだ時間があるので、乗ってきたバスで野塚にある「岬の湯しゃこたん」まで戻って入浴してこよう。10時営業開始だからちょうどいいだろう。
 神威岬から乗ったのは自分1人だけだった。それはそうだろう。ここには宿泊施設はないのだし、このバスで来た人でなければ、折り返しのバスに乗る人はまずいないだろう。
 しかしながら、途中の停留所からは大きな荷物を持った人たちが、けっこう乗って来るではないか。旧盆で帰省していた人が帰るのだろう、バス停まで見送りに来ている人を見かけるバス停もけっこうあった。
 20分ちょっとで、野塚の高台にある「岬の湯しゃこたん」に到着した。さっそく入湯券を買って入る。ここは露天風呂がよかった。高台の海沿いにある露天風呂からは、海が一望できた。下を走る国道も見えるので、その気になれば走るバスの撮影もできそうだ。まあ、そんな機材を持って露天風呂なんぞに行ったら、間違いなく盗撮を疑われるだろうが。
308.岬の湯しゃこたん11:14→11:33積丹神威岬(北海道中央バス)390円 札幌22か25−16 日野
岬の湯しゃこたんの中央バス 神威岬の案内板  やってきた神威岬行きには、けっこうお客さんが乗っていた。これが今日の神威岬行きの2便目だ。もちろん、途中の余別で降りる人もいたが、ほとんどが神威岬まで乗り通した。やはり、初便の小樽6:50発では、普通の観光客には早すぎるのだろう。この便なら、小樽発は9時過ぎになるから、朝食を摂ってからでも乗ることが出来る。
 神威岬で降りた人たちは、自分以外はみな岬を目指した歩いていった。まあ、普通はそれが目的だろうから。しかしながら、自分は10分ほどの接続で半島西側を行く、1日2本の岩内行きに乗り継ぐ。さすがに10分では岬の突端まで往復することができないから、今朝は早起きして初便に乗ってやってきたのだ。
 さて、次のバスはどこかと見れば、ポールのところに停まりドアを開けているのが、次に乗る岩内行きのようだ。
309.積丹神威岬11:43→13:22岩内(北海道中央バス)1360円 札幌22か・856 日デ/富士重工
神威岬の岩内行きバス  ドアが開いていたので座って待っていると、運転士さんが「40分発ですけど、途中お客さんが少ないので、45分頃出します。着く時間は同じですから」と言う。
 発車時刻が近づいて、あと2人お客さんがやってきた。小樽からのバスでは見かけなかった人たちだから、岩内からこのバスに乗ってきて、再び折返しに乗る人のようだ。
 ここから、川白というところまでが、半島一周国道の最後に開通した区間だ。たしかにそのようで、まだ新しいと感じられるトンネルが何カ所かあった。西の河原というところには、たくさんの車が停まっていた。なかなか来ることの出来ない場所だから、自分も降りて見学してみたいものの、1日2本のバスでは途中下車して観光することはかなわない。
 神威岬を出て最初の集落が川白というところ。宮脇俊三氏の「ローカルバスの終点へ」という作品が書かれた当時は、この川白までしかバスは通っていなかった。この国道229号線の最後の区間が開通したのは、1996年11月のことだという。宮脇俊三氏が旅をしたのは、1986〜88年のことらしい。
 この川白からは、地元の方の利用があった。また神恵内村に入ると、谷間の道道をさかのぼり、温泉998というところに寄り道していった。この温泉を利用するお年寄りの短区間利用がけっこうあった。その際、運転士さんに何か見せて降りていくから、村の補助か優待乗車券があるのだろう。
 バスは神恵内村から泊村に入る。集落があると、お客さんが待っていて意外と利用者が多い路線だと感じた。村の南部にある泊原子力発電所が近づくと、海岸沿いを走っていた国道は、ほりかっぷトンネルで一気に山を貫く。トンネルを出て右折したところが掘株(ほりかっぷ)の集落だった。ここでまとまった乗車があった。
 バスは、いったん国道を外れて発足の集落に寄り道をしてから、岩内のターミナルへと走っていった。
岩内行きのサボ
310.岩内13:55→14:15共和町役場(ニセコバス)310円 札幌200か・259 日野
岩内のニセコバス 幌似駅  昨日は岩内で昼食を取る時間がなかったので、今日はここで新鮮な魚を食べよう。バスターミナルの港側にある、漁師の店「うしお」というところへ行く。お目当てのウニがなく、海鮮丼1000円也を注文する。載っているのは、ホタテ・ホッキ・ヒラメ・タコともう一品。タコ以外はみんな生。生のホッキは甘かった。
 ここからは、昨日も乗った倶知安ターミナル行きに乗って、共和町役場まで行く。今日のバスは前中ドアの路線車だった。昨日は前ドアのリクライニングシート車だから、その差はけっこう大きい。運用の都合なのか、当たり外れが大きいようだ。
 それでも、乗車時間はわずか20分で、共和町役場に到着する。ここから歩いて堀株川を越えたところにある、旧岩内線幌似駅を利用した幌似鉄道記念館を見学に行った。まっすぐな道は、夏の日差しに照らされて、北海道とはいえかなり暑かった。
311.共和町役場15:17→15:28小沢(ニセコバス)280円 札幌22か・453 日野
共和町役場のニセコバス 小沢駅  共和町役場バス停から、再び倶知安ターミナル行きに乗って、かつての岩内線の分岐駅だった小沢へ向かう。今度は、昨日と同様前ドアの観光タイプのバスがやってきた。1つの路線で、本当にいろいろなタイプのバスが使われているのだ。
 共和町役場から小沢までは10分ほどだった。途中、緩くカーブする岩内線の廃線跡を、車窓から見ることが出来る区間もあった。
 小沢バス停の前には、かつて小沢駅で駅売りもしていた、名物トンネル餅の製造元末次商店が建っている。共和町内なら、他の店でも買えるらしいが、せっかくだから製造元で買うのがよかろう。ただ、小樽方面のバスに乗り換えるだけなら、もっと手前で乗り換えることも出来たのだが、そう思ってここまでやってきたのだ。
 1箱400円の餅を買って「バスまで40分ほどあるのだけれども、どこか見所はありますか」とご主人に聞くと「ないねえ」とのこと。店内に飾られているC62の写真パネルを見ていると「それじゃ、ここで休むかい」。そして、しばしご主人と鉄道談義。「現役のC62を知っているから、今のニセコ号はおもちゃのようで撮る気が起きないな」とか「今でも木製の枕木や跨線橋が残っているので、SLニセコ号運転日には小沢に来るマニアも多いんだよ」とか。あっというまに40分が過ぎてしまった。
トンネル餅
312.小沢16:15→16:52余市駅前十字街(ニセコバス)890円 札幌22か27−12 いすゞ/富士重工
小沢のニセコバス  昨日、ニセコ駅前から乗ったのと、まったく同じ便の急行小樽行きに乗る。なんとやって来たバスも昨日とまったく同じ車両だった。ただし、運転士さんまで同じかどうかはわからなかったけれども。
 先客は1名だけ。乗り込むとすぐに運転士さんから「どちらまで」と声がかかる。「余市までですが」と答えると「余市から先は渋滞がひどいようですが、余市までならそれほど遅れないでしょう」との言葉が返ってくる。
 昨日と同じ道を通って余市へ向かう。気持ち、昨日より空いているように思われる。バスは早着しがちだもの。予定通り余市駅前十字街で降りる。もう1人の乗客もここで降りてしまった。
 ここで、有名な柿崎商店に行って、早めの夕飯にしよう。海産物売り場2階の食堂へ行くと、中途半端な時間にもかかわらずほぼ満席。お目当てのウニ丼は時価とある。今日の値段は、礼文産の赤ウニだと2100円。積丹産の白ウニだと2700円とのこと。トロッとした赤ウニに魅力を感じて、赤ウニ丼に決定。それにイカ刺しをつける。ちなみに赤ウニがエゾバフンウニで白ウニがムラサキウニとのこと。おいしかったのは言うまでもない。
313.余市駅前十字街17:40→18:36小樽駅前(北海道中央バス)390円 札幌22か22−88 日野
小樽駅前に着いた中央バス  夕食にも満足して、今日の最後は余市梅川車庫始発の普通便で小樽駅前に向かおう。余市〜小樽間は、昨日と今朝の2回乗ったけれども、どちらも急行便だった。普通便に乗るのはこれが初めてだ。
 その普通便は、20毎と頻発している。余市駅前十字街バス停は毎時08・28・48分の発車なので、48分発に乗ろうと35分頃バス停に立った。すると、すぐにやってくるではないか。どうやら28分が遅れていたらしい。
 普通便なので、すべての停留所の放送が入る。昨日は聞いたことがなかった「フゴッペ洞窟入口」などというバス停もあった。たしかに渋滞はしているものの、昨日よりは流れているようだ。
 塩谷を過ぎると、昨日は小樽駅まで停留所がなかったので、トンネルの多い国道をそのまま進んだのだが、今日は脇の道に入って、市街地の停留所にこまめに停まっていく。思った以上に、市街地での乗り降りが多かった。それだからこそ、20分毎と頻発しているのだろう。
 けっきょく、余市から1時間弱かかって、終点の小樽駅前に到着した。駅前と言っても、降車場は駅前のターミナルではなく、道路沿いにあった。

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