第2日 〜2007.8.12(日)〜

支庁前→帯広駅

4.支庁前10:26→11:02様似駅(JR北海道バス)560円 室蘭200か・226 いすゞ/IK COACH
支庁前のJRバス 支庁前バス停  朝食はホテルのレストランでとって、10時のチェックアウトタイムまで部屋でゆっくり過ごす。今日は、この先のバスの関係でゆっくりのスタートだ。
 道南バスは日高支庁前、JRバスは支庁前とちょっと異なる名前のポールが立つバス停から、今日はJR北海道バスでスタートする。やってきたのは、様に営業所行きのバスだ。
 支庁前を出ると、浦河の市街地を走っていく。市街地の外れ日赤前まで来ると左折して、老人ホームまでの枝道を往復する。老人ホームで折り返し場をぐるっと回って日赤前まで戻る途中で、道南バスの浦河ターミナル行きとすれ違った。そのバスが、肌色にブルーのラインが入った旧塗色。こんなことなら、支庁前から日赤前まで乗っておくのだった。
 日赤前からは再び国道336号線を走っていく。右手には、日高本線と太平洋が続いている。やがて、日高幌別駅前を通る。その先に優駿の門と馬事博物館があった。それを見て、ようやく日高幌別が浦河の先だったことを思い出した。こんなことなら、1本前のバスに乗って見学することもできたのに。北海道まで来て、ホテルで10時までのんびりしてしまったことを悔やんだ。
 日高本線をオーバークロスして太平洋側へ出ると、浦河町から様似町に入る。宇苫の集落を過ぎると、日高本線は海岸から離れて内陸部を走る。国道336号線は、そのまま太平洋沿いを行く。やがて、車窓に親子岩が見えてきた。弓なりに突き出たエンムル岬が見えてくると、まもなく様似の市街地に入った。
 しばらく進んで左折し、様似駅前へと向かう。このバスは様似営業所行きだが、数少ない乗客は、みな様似駅前で降りてしまった。運賃は、もう10年近く前に買った、JR北海道発行の2000円バスカード。まだ使えるのかなとカードリーダに通すと、ちゃんと使えた。
太平洋に奇岩がそびえる
5.様似駅11:35→12:30えりも岬(JR北海道バス)2340円 室蘭200か・227 いすゞ/IK COACH
様似駅のJRバス 広尾までの通し切符  ここから、えりも岬を通って広尾までJRバスに乗っていく。様似駅〜えりも岬が1300円。えりも岬〜広尾が1510円する。ところが、様似駅〜広尾の通し運賃は2340円しかしない。
 国鉄バス時代、えりも岬バス停は途中下車指定駅になっていて、通しきっぷで途中下車ができた。北海道旅客鉄道(JR北海道)になってからも、この制度は存続していたようだ。
 その後、バス会社が独立してジェイアール北海道バス(JHB)になった。バス会社になって、乗車券とか途中下車とかどうなってしまったのだろう。様似駅の窓口は、JR北海道バスが担当していて、ちゃんとそこでバス区間の乗車券を売っていた。
 たずねてみると、広尾まで通しで買ってえりも岬で途中下車できるという。これで、2810円かかるところが2340円と470円安くすんだ。バスカードを買うより有利だった。
 やってきた岬小学校前行きのバスは、先ほど乗ったバスと同型。列車から乗り継ぐ人もいて、バス停には長い列ができている。ドアが開くと、車内はたちまちほぼ満席になった。太平洋の見える進行方向右側に座っていく。
 途中、山の上に建つアポイ山荘へ寄り道して行くが、ほとんど海岸沿いの国道を走る。ちょうど、昆布漁の最盛期のようで、昆布干し場にはツヤツヤした昆布が一面に広げられていた。
 えりも町の中心にあるえりもバス停。広い広場にぽつんと待合室が建っていた。このバスも、高速バスの乗り場にもなっているその広場に入っていって、乗客の乗降を扱った。ここで3人ほど降りていった。
 えりも岬は街の中心からは遠く、まだバスで20分ほどかかる。道路は、海岸沿いから高台に上がり、草原の中の道に変わっていった。
昆布を干す
見学 風の館(入館料500円)
風の館入り口 強風体験のスタンプ  まずは昼食ということで。岬に建つ数件の食堂兼土産物屋さんの1件に入って、食事と勢いで生ビール。荷物も預かってくれるというので、お願いして身軽になって岬の散策へでかける。
 歩いていったところが、そのまま『風の館』の入口につながっていた。ここは1997(平成9)年にできた施設。風速10m以上の風が年間290日以上も吹く襟裳岬にできた体験型の施設だ。
 入館料500円を払って中に入る。パソコンで来館記念パスポートを作るコーナーがあったり、風速25mを体験できるコーナーがあったりする。一気に最大風速になるわけではないのだが、だんだん強くなる風に髪の毛がボサボサに乱れていく。
 その先、大きなガラス窓が付いたシアター型のフロアにでる。望遠鏡も備えてあり、襟裳岬の突端が見えるようになっている。ここがゼニガタアザラシの観察コーナー。岬突端付近の岩場にいるアザラシを見ることができるのだ。
 夏場はアザラシが集まる時期なのだそうだが、今日は運が悪いのかほとんど見えない。ようやく岩場に2〜3頭いるのを、望遠鏡で確認することができただけだった。
 そのほかにも、アザラシ関連の展示コーナーがあったり、知らなければいることさえ気づかない、襟裳岬のアザラシを身近に感じることのできる施設だった。
風の館展望台の外観
見学 襟裳岬
襟裳岬
襟裳岬の看板 襟裳岬灯台  『風の館』を出て、襟裳岬灯台付近を散策する。襟裳岬に来たのは、これが3回目。最初に来たのは25年ほど前のこと。前回が1999年。どちらも、あまり天気がよくなかった記憶がある。
 ところが、今日はたいへん天気がよい。すぐ近くの海は深いグリーンに見える。そして遠くの海と空は、とても青い。
 襟裳岬というくらいだから、燈台があって当たり前なのだが、なぜか過去2回の訪問では燈台を見た記憶がない。今日はしっかり見ていこう。残念ながら、内部が公開されているわけではないので、外から見ることしかできないが。
 燈台から駐車場へと続く遊歩道があった。えりもの町の方角を眺めることができる。こちらも断崖が続いている。断崖の上は、草原というか一面の低い木が生えたグリーンが広がっている。
 なんでも、襟裳岬周辺はもともとは広葉樹の原生林があったのだとか。それが、燃料用と放牧地の開発で伐採されてしまい、その結果砂漠化してしまったのだという。土砂が海にまで流れ、海草が枯れ魚も棲まなくなってしまったそうだ。
 1953(昭和28)年から治山事業が始まり、本来北海道には生えていなかったクロマツを植林することで、緑化を進めることができたのだという。
 そうはいっても、この風の強い襟裳岬。なかなか木々も上に向かって伸びてくれないのだろう。少なくとも、燈台周辺では人の背丈より高い木は、ほとんど見つけることができなかった。観光客にとっては、360度パノラマになってうれしいことではあるけれども。
 そろそろ時間と、先ほど荷物を預けたお店によって、お礼を言って引き取ってくる。広尾行きのバス停に向かうと、もう並んでいる人がいた。
襟裳岬西側の風景
6.えりも岬14:57→15:56広尾(JR北海道バス)−円(様似駅から通し) 室蘭200か・340 日野
広尾行きJRバス 襟裳岬付近の平原  えりも岬から広尾へ向かうバスは、平日3本、休日2本。次に乗るのが、今日の最終便だ。
 JR北海道バスが、2003年の春にもえりも岬〜広尾間の廃止の意向を発表したときには、もうえりも岬を周遊コースで旅行できなくなるのではないかと心配になった。
 たしかに、襟裳は日高支庁、広尾は十勝支庁と地域が違うことは確かで、人の流れも少ないらしい。しかしながら、襟裳町から広尾の高校へ通う生徒もおり、最終的には襟裳町と広尾町が補助金を負担して、JRバスがそのまま運行することになったようだ。そのおかげで、様似からの通しきっぷで、この旅ができるのだ。両町に感謝。
 襟裳岬を出て、岬小学校前を過ぎると、両側に低木が生えた一本道を行く。ここが百人浜で、この低木がクロマツなのだろう。さすがに岬の木々よりも背は高い。
 襟裳町最後の集落、庶野を過ぎると、広尾まで「黄金道路」と呼ばれる国道336号線を行く。別に砂金の産地があったわけではない。断崖が海まで迫っていて、その断崖を切り開く難工事に黄金を敷き詰めめられるほど費用がかかったからだという。
 ところが、今回通ってみると第二黄金道路になってしまったようだ。積丹半島の豊浜トンネル崩落事故の影響もあってか、より内陸部に長大トンネルを掘って付け替えられている区間がかなりあったのだ。なかでもウエンベツトンネルは全長が3200mもあり、安全にはなったものの海沿いの景色が眺められる区間が減ってしまった。致し方がないこととはいえ、ちょっぴり残念だ。
 左手の岩肌を流れ落ちるフンペの滝のところで、少しだけスピードを落としてくれた。そこを過ぎて広尾橋を渡れば、旧広尾駅の広尾バス停まではすぐだった。
道路付け替えが進む黄金道路
7.広尾16:12→18:31帯広駅(十勝バス)1830円 帯広22う・269 日野
専用塗色の十勝バス 広尾バス停  かつて、帯広と広尾を結んでいた、国鉄広尾線。JRになる直前の1987(昭和62)年2月に廃止された。広尾のバス駅は、元々国鉄広尾駅の駅舎で、建物の中には広尾線の展示コーナーがあり、バスを乗り継ぐ人たちが見学していた。
 これから乗るのは、十勝バスが運行している広尾線の廃止代替バス。帯広まで2時間以上かかる路線だ。国鉄時代の出札口は、そのまま十勝バスが使用していて乗車券を売っている。帯広まで買うと、1830円の硬券が渡された。
 やってきたのは、前中ドアの路線車。しかしながら、車内は2人掛けのリクライニングシートが並んでいる。塗色も「南十勝夢街道」の文字とともに虹を描いた専用塗色になっている。
 バスは、文字通り十勝平野の中を走っていく。どこまで行っても周りは広い。車窓には、トウモロコシ畑がすごい広さで現れる。牛もいるし、トウモロコシと牛とサイロで1枚。なんて思うのだけれども、走っているバスからきっちり収まる写真なんて、なかなか撮れない。
 途中の忠類でトイレ休憩。広尾から50分あまりが経過していた。その後も、基本的には帯広へ向かう国道236号線を行くものの、廃止代替バスなので国道から離れた集落に駅があったところでは、国道を離れて集落へと寄り道をしていく。
 やがて、帯広の市街地が近づいてきたのだろう。国道を左に折れて、川西3号、工業高校前と新興住宅地の中を行くようになった。その先では、さらにイトーヨーカドーに寄るのだが、イトーヨーカドー前、イトーヨーカドー入口と2つもバス停があった。もうすぐ駅かと思ったのだが、駅はそこからさらに20分近くかかった。18:29到着予定を遅れること、わずか2分。2時間以上走っても、ほとんど定刻に帯広駅前に到着したのだった。
トオモロコ畑とサイロ
見学 ばんえい十勝 ナイター競馬
ばんえい十勝 ばんえい競馬  北海道のばんえい競馬。2006年で旭川、北見、岩見沢が廃止され、残っているのは帯広だけになってしまった。今日は日曜日、ナイター競馬をやっているとのことなので、タクシーで競馬場へ向かった。最後の2レースしか見られなかったが、ビールとジャンクフードをとりながら、その迫力を楽しむことができた。

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