佐原駅→太田駅前
223.佐原駅9:47→10:17潮来(関鉄観光バス)710円 水戸200か・176 いすゞ/川崎車体 | |
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始発なのに2分遅れてやってきたバスは、何ともなつかしい幅の狭いバス。外板にはリベットのボツボツがあり、中ドアより後ろはロングシートになっていた。駅前からの乗車は2名。しかし、もう1人の乗客は、成田線の線路を渡った市役所前で早々に降りていってしまった。 バスは利根川を渡って茨城県に入る。すぐに右折して横利根川に沿って走る。今日は釣りの大会があるようで、たくさんの小舟が浮かんでいる。その横利根川を渡れば、再び千葉県に戻る。この鹿島線十二橋駅周辺は、利根川の北にある千葉県なのだ。しばらく利根川の堤防を走り、篠原新田上組バス停から左折して、一面水田の中を走っていく。 その水田の中に与田浦があり、水生植物園入口バス停を過ぎると、その与田浦を渡る与田浦橋を渡る。すると、観光船が走っていくのが見えた。常陸利根川から出発する潮来の水郷めぐりは、茨城県側をめぐる前川コースと、この与田浦方面をめぐる加藤洲コースがあるから、これはその船なのだろう。常陸利根川にかかる潮来大橋を渡れば、再び茨城県に入る。そこから街中の潮来バス停までは、わずかな距離だった。 |
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224.潮来11:09→12:22鉾田駅(関鉄メロンバス)1190円 水戸22あ14−84 いすゞ/富士重工 | |
ここから鉾田へ向かうのだが、一般的なルートは、いったん鹿島へ行って、そこから鉾田行きのバスに乗るのだろう。湖岸経由と海岸経由があり、そこそこの本数がある。 今回は趣向を変えて、1日4本と本数は少ないながら、潮来と鉾田を結ぶバスに乗っていこう。地図を見ると、この路線は霞ヶ浦と北浦の2つの湖面を眺められるようだ。 やってきたバスは、関東鉄道の一般的な塗色だった。潮来市に合併するまで町役場だった牛堀支所前を過ぎると、国道355号線に入る。すると、左手に霞ヶ浦が見えてくる。ところが、国道と湖面の間はけっこう距離がある。人家や工場が建っていて、なかなかすっきり霞ヶ浦を見ることができない。もう少し行けば見えるかと期待しているうちに、麻生に到着。ここで右折して、霞ヶ浦とはお別れだ。 ここからは北浦へ向けて、台地を横断していく。多少アップダウンがある畑の中の道を、バスはたんたんと走っていく。この道沿いは、たまに集落があるだけ。乗降はほとんどないままだ。 信号の数もあまりない道。麻生町から北浦町に入り、下り坂になる。その先の信号を過ぎると、そこが繁昌。その先の信号で右折して、北浦湖岸の細道に入る。 ここからの道がよかった。狭い道が続くから、スピードもあまり出ない。そして、右手には北浦の湖面が、断続的に見えてくる。北浦町役場を過ぎても、道は狭いところが多い。 いったん、広い県道に戻るものの、すぐに右折して湖岸の道に入っていく。3回目に湖岸の細道に入ったときは、対岸に鹿島臨海鉄道の高架線が続いているのが見えた。乗客は街中のバス停で降りてしまい、鉾田駅まで乗ったのは自分だけだった。 |
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徒歩 鉾田駅→鉾田車庫 約440m | |
鉾田駅前のバスターミナルは、たくさんの行き先が書いてあるものの、すべて関東鉄道系のバスばかり。これから乗るのは茨城交通だ。 交番が見あたらず、駅でたずねると「この脇にもあるが、車庫は左手にしばらく行ったところだ」という。要領を得ぬまま、車庫に行けば情報が手にはいるだろうと、途中のラーメン屋で昼食をとってから、さらに車庫の方角へと歩いていく。 やがて、路線図を掲げた小さな小屋の向いに、バスが4台ほど収められる車庫と、青空の駐車スペースのある茨城交通の車庫に到着した。しかしながら、車庫の前にはバス停のポールがない。どうやら、ここは車庫だけでバス乗り場ではないようだ。 建物の中に人影が見えたので、「ここからバスに乗れますか」とたずねると「まあ、ここから乗ってもいいよ」とのこと。車内で回数券も売っているという。お言葉に甘えて、車内で待つことにした。 |
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バスは、前後ドアの路線タイプ。座席は最前列まで左右2人掛けの座席が並んでいた。乗降しやすいように、ドア側の前方は1人掛けにしている会社が多いのだが。 鉾田車庫を出発したバスは、関東鉄道の鉾田駅前ターミナルを通り過ぎていく。どこが茨城交通の鉾田駅前バス停なのかと車窓を見ていくと、駅舎の脇を少し行ったところに、探していた鉾田駅前バス停があった。 本来の始発バス停からの乗車はなく、通過していく。鉾田の街中を抜けると、右折して町役場に寄っていくが、日曜日だからか待ち人はいなかった。堀割の中を走る鹿島臨海鉄道を跨いで、さらに海側へと走っていく。 国道51号線に入るものの、すぐに右側の細道に入っていく。そうか、国道ではなく細道を行くバスかと、その先の車窓に期待したのに、すぐに国道に戻ってしまった。海の近くなのだろうけれども、車窓に太平洋はまったく見えない。 ようやく下り坂のところから、右手に太平洋が見えてきた。そして、大洗原研入口からは太平洋に沿って走るようになる。これはいいぞと思っていたら、次の矢場から山側の細道に入ってしまった。そのまま、細長い大洗の街中の道を走っていく。商店街の中をコの字型に走って、大洗駅に到着した。 このバス路線、全国版のJTB時刻表にも乗っている路線なのだが、実際に乗ってみると終始乗客は少なかった。日曜日の日中だからで、平日の朝夕なら多いのだろうか。 |
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ここからは、大洗町の循環バス「海遊号」に乗っていく。大洗町の循環バスだが、運行は茨城交通が行っていて、運賃は100円になっている。 車体に魚のイラストが描かれた楽しいバスで、後部が一段高くなり、窓もRのついた独特の形をしていた。車内も、ドア側の前寄りは外向きの座席が並んでいる。後部は左右とも外向き座席になっていて、町内循環とはいっても観光仕様のバスだ。 どこまで乗っても100円ということで、後部の外向きシートには、1周乗って景色を楽しむという、中年女性団体が陣取っていた。 こういうバスだから現金専用かと思ったのだが、回数券の使用もできるとのことで、茨城交通の回数券で100円を運賃箱に入れる。 ほぼ満席の乗客を乗せて、大洗駅を発車した。一番遠い地点に当たる、アクアワールド大洗までこのバスに乗っていこう。この循環路線は、大洗駅から北に向かって時計回りに走っていく。だから、アクアワールド大洗から大洗駅に戻るときが海沿いを走ることになる。今乗車している区間は、海がまったく見えないのが残念だ。 バスは、けっこうアップダウンのある道を走っていく。走っている車も多く、渋滞とまではいかないものの、走ったり停まったりを繰り返していく。あとわずかで、那珂川の河口に架かる海門橋というところで、右折して坂道を下っていく。大洗駅を出て12分ほどで、以前は大洗水族館といった、アクアワールド大洗に到着した。 |
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ここから那珂湊駅や水戸駅へのバスは、区間便も含めて本数が多い。もう15時を回っているから、帰宅する観光客の利用が多いのかと思ったが、バス乗り場はガラガラ。やっぱりここも自家用車で来る人が圧倒的に多いようだ。 海遊号を降りてすぐに那珂湊駅行きが来たものの、ここ始発の短区間路線に乗ってみたくて、1本パスをした。やってきたバスは、前中ドアの路線バス。大洗駅まで乗ったバスは、前後ドアだったので、正面には「うしろのり」の表示が。今度のバスは「なかのり」の表示が。ちゃんと、ドアの形態によって、乗り方の表示を変えているのだ。 ここから乗ったのは、自分1人。けっきょく最後まで貸切だった。バスは、那珂川の河口に架かる海門橋を渡って、大洗町からひたちなか市へ入っていく。真っ赤なトラス橋で、地形の関係か河口だからか、けっこうな高さのある橋になっている。左手には那珂川と涸沼川の合流地点が、右手には太平洋が広がっている。 停留所の案内放送もなく、運賃表示器も消えたまま。何だか、回送バスに間違って乗ってしまった錯覚を覚える。でも、運転士さんから「160円ね」と声がかかった。 |
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関東の駅百選にも選ばれた那珂湊駅で、28系統の茨大行きのバスを待つ。スタンプラリーで来たときは、焼きそば屋さんだったところが、自動販売機のならぶ休息コーナーに変わっていた。 大半のバスがここ始発なのだが、28系統は平磯というところが始発。道が混んでいるのか、7分ほど遅れてやってきた。 今度は那珂川を、国道245号線の湊大橋で渡って水戸市に入っていく。海門橋のような高さはないものの、こちらも赤いトラス橋だった。湊大橋を渡るとすぐに右折して、那珂川沿いの県道を走っていく。 あまり広くないものの、信号もない道。対向車も少なく、バスは快調に走っていく。河口が近いにもかかわらず、那珂川には高い堤防はなく、川面がバスからもよく見える。そんな車窓に、小さな船を操る川漁師さんが見えた。 広い国道6号線との交差点を越えたところ。頭上に鹿島臨海鉄道の緑色の陸橋が走る、その下が茨城交通の浜田営業所だった。 |
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11月、16時半を過ぎれば日が暮れてしまうのが残念だが、明日のこともあり、今日はどうしても太田駅前まで行かなければならない。営業所でたずねると、太田までは1時間はかかるとのこと。トイレを借りて、道路沿いのバス停で待つ。 やってきたのは、3扉のけっこう大きいバスだった。ここから乗ったのは3人。でも、水戸駅に着くまでに他の2人は降りてしまった。駅前から乗ったのも1人だったので、それほど混まない路線なのかと思ったが、市街地のバス停から乗ってくる人が多い。南町3丁目からは、かなりのまとまった乗車があった。 その先で右折して、国道349号線を北上していく。この道に入ると、次第に下車が増えて、車内は閑散としてくる。上菅谷駅口バス停で再びまとまった乗車があるものの、しばらく走るとまた下車が続いて閑散としてくる。 いつしか外は真っ暗になってしまった。もうそろそろ1時間近くになるし、乗客も3人になってしまったので、前の方の座席に移動する。すると運転士さんから「どちらまで」と声がかかる。「太田駅までです」と答える。やがて太田営業所と放送が流れ、その2つ先が太田駅前だった。 |